簡易日記(2006年7月〜9月)

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9月28日

玉原合宿から帰宅.もうこの種のごまかしは通用しないな.研究せよ.
「ツリーにフリーに作用する群はフリー」の話を思い出す機会があった.
なんでもは面白そうな題材が続いている.h同境定理に期待.

チェコやポーランドで会った人たちが 続々と論文を発表している.これに伍せん.

無印良品に頼んでいた本棚が届いた.
蔵書をみて,自分の専門はなんなんだと思う.
代数幾何入門の隣に離散幾何学講義とか,その隣がゲーデルとか,もうわけわからん.


9月22日

英語版ウィキによって兵庫県宍粟(しそう)市の存在を知った.
友達と日本にある市の名を言い合いっこをして,それはそれは大層時間つぶしになったのであるが,
もはや叶わぬ話になりつつあるようである.


9月21日

任意の素イデアルが有限生成なる可換環が Noether 環になることの証明を教えてくれる偉い方募集.
自分で調べろって?

最近 Wikipedia をやっています.位相空間関連の記事の編纂を手がけておりますので,
ご意見などどうぞ.協力者も歓迎します.

最近のキーワード(研究をしていないことが…)
駒場のベルギービールを出すカフェ,竹内外史とゲーデル,語問題,多様体の識別.
××の自己同型群から××を復元する問い(イスラエルの人からの聞きかじり.何も知らない).
ペペロンチーノを食べたくてもニンニクがなく作ることができないときの残念さ.


9月20日

基礎数学の確率論が復刊されてますね…復刊リクエスト的にはあと三年は掛かりそうだったのだが.

日本数学会秋季分科会から帰ってきました.といっても最初の二日間に出ただけでしたが.
発表は…気合が全く足りなかったし内容も足りなかったですね.聴衆に申し訳なかったです.
書画カメラにOHPフィルムを使うと字が二重化されるので注意しましょう.

建部賞表彰式…かつらさん,よしのさん,おめでとうございます.


8月29日無事帰国しました.
数学的な収穫に関しては残念ながら期待していたほどではなかったのですが,
ともかく初めて海外へ渡航し,曲がりなりにも研究発表を終えたことは一つの区切りというべきでしょう.
この間は慣れないことが続き疲労もまた著しく,今なお休養を要するように感じられます.
また数学を続ける上でもここで一つの休養を置くことは無駄ではないように思われます.
他方,日記の内容を顧みますと,代わり映えなく惰性的継続の状態にあることは明白であります.
ついては当日記も休業することとします.(9月2日記)


8月9日

荷物がたいへん重いです.
話す準備をまだしていない.どうにかしなければ.
29日帰国予定.


8月8日

私が参加しようとしている波蘭国の研究集会の参加者名簿(出身国つき)が公開された.
なんというか,「あんた何で日本から?」という感想をおそらく誰もが抱きたくなる.
パーティーとか普通にポーランド語でしょこれ.悪くはないけど.
一応国際研究集会であると書いてあったはずなのだが.同じ時期に ICM もあるし.

参考サイト:
TOPOSYM 2006 (10th Prague Topological Symposium)
権威ある集会という印象から気後れしたのですが,今思えば発表はここにすべきであったかも.
International Conference in set-theoretic topology
前述のとおり.現地の鉄道ないしバスを利用しないと会場にたどり着けない.


8月7日

携帯CDプレイヤーのコードが figure-8 knot になって絡まっていた.


8月6日

今日は資料集めのため奔走…でなく引きこもり.海の向こうの事どもさえ,電網恢々疎?にして漏らさず.
自室から一歩も出ることなくきれいな地図や現地のいろんなことが分かって,文明の利器とはこのことかと思います.
滅多に用のないカラー印刷で地図を印刷しまくってみたり…暑かったけど,扇風機でなんとかしのぎ,
まあ楽しい一日でした.

ほんとはもっと数学をしたいんだけどなあ.まあPCの初期設定みたいな
一過性のものだとは思います.やっとチェコ語で自信をもって挨拶できるようになった.まあ波語と似てるんだが.
こんどからこっちも略語の捷克語ないし捷語にしよう.捷語は母音がアイウエオで長母音を日本語のように使うので
なんとなくヨーロッパ言語としてはのんびりした印象がある.それに比べると波語はまくしたてる感じ.

99 zl というポーランド通貨の金額(4000円くらい)を,"Dziewięćdziesiąt dziewięć złotych!"
とか一息に言われると,はて一体いくらだ? って感じ.
波語ラジオも一般的に数字が全然聞き取れない.聞き取れそうなのが挨拶とそれ位
しかないのに,しかも重要なのに,困ったものだ.


8月5日

K 先生のレポートは結構いいところまでいってるのだが,それ以外にやるべきことが色々あって…


8月4日

「一通りの方法で求めて満足しないこと」とのM尾先生の教えにしたがい
一つの積分を不定積分と留数との両方で求めてみたのだが
半日やっても依然として答えが違うので
どちらが正しいのか "The Integrator" で確かめてしまった.

ああ,-π/2 から π/2 までってよく考えたら半周なのね.
あほあほな事に気付くのに何時間かかったのやら.
別にこういうの嫌いじゃないけど.

旅の指さし会話帳 北朝鮮.指さしは政治体制をも超えた.


8月3日

いまカメラがどのくらい充電なしで持つのか実験中です.
そういう訳で,あまり深い意味はないですが写真を登場させてみます.
P. J. Cohen のレクチャーノートの原版を借りてみました.

きっと Matsumura の可換代数とかと同じシリーズです.
もっとも Matsumura はボロボロで修復が追いつかないのに対し
こちらはいたって綺麗なままですが.
こう見えても 1968 年から図書館にいるんです.

それが証拠にちゃんと吸取紙としてビラが挟まっています.手近にある紙だったと想像されます.


8月2日

昨日の写真は少し間違いがあります.


8月1日

ポーランド語で数える練習をした.全部は退屈なので素数だけをやった.(写真


7月31日

今日は書類を出した.コピー機のトレイ(吸い込むの)に原稿をセットするときにも表裏があるらしい.
両面印刷にしか使わないから今まで気付かなかったよ.


7月30日

人工言語をつくることそのものを目的として現在 2ch 上で作られている人工言語があるそうだ.
立案者自身は最初の呼びかけのみを行った後(少なくともその名前では)書き込みを控えており,
主導者のない不特定多数によって語彙・文法が作られているため自然言語の色彩が濃いとのこと.ここを参照.
語彙についてはここが参考になる.

2ch 的なネタの連続となるが, orz を心の中で「オシュ」と発音するようになって結構長い気がする.


7月29日

高校生講座.M尾先生語録をもってダイジェストに替えさせていただきます.口調等まで再現したものではありません.

「(十二面体の一つの面を外し)ゴミ箱にもなりますが」
双対多面体は二十面体.
「…という訳で面の数と頂点の数がひっくり返るんですね.十二と二十.これがひっくり返っているのはどうでもいいです」
「(玉原からの車窓に)これの曲率を求めよ」
「(水田の稲はきっと正方格子)A_2 lattice のような三角形にするともっとたくさん植えられそうですね」


7月28日

野沢くんの一時間発表を聞いた.似た内容で都立大(首都大)でも発表するそうだ.
諸々の事情によって僕の発表はバニった.

夕方にはM田先生,M尾先生,撮影スタッフのAさんが来て,明日の高校生講座の準備.
某K君は多面体模型キット(K会にあるのと同じ)で「幾何学の神」というものを作ったところ
縁起の悪いことが起こったためそれを破壊する儀式をやったそうだ.
どういう訳か葡萄酒がなくなりそうになっていた.


7月27日

今日はM1のI君が特異点についての話をしたのだが,途中から鏡映群とその分類
をしていてなかなか面白かった.
野沢くんが夜遅くまでいちばん大きい部屋?で準備をしていた.


7月26日

離散群の発表者が強かった.
山登りは疲れた.
「沼田市の名木百選」よく選んだ.
今日のMさんの発表で,葉層の葉の depth という概念を知りました.

・コンパクトな葉の depth は 0 と定義.
・葉 F の depth が k(>0) とは,Cl(F)-F が depth < k の葉の和集合に含まれていること.
・以上で depth の決まらない葉の depth は無限大.

気付く人は気付くように,この定義で depth の値を順序数に取らせることもできます.
要するに,葉の収束の超限過程により,上で無限大になっていた部分が細分化されていく訳です.

この種の定義については,位相空間の帰納的次元における失敗例(?)もあるために過剰な期待はすべきではないものの
一度は検討されるべきものであると思います.

・(第二可算公理を満たす)多様体の葉層構造の葉には順序数の意味での depth が必ず定まるか? (もし定まるならばそれは (2^\omega)^+ 未満)


7月25日

眠れなくてめちゃくちゃ眠い状態で玉原到着.
なんつうかすごい量の葡萄酒.
T山さんがM先生の逸話で事情通っぷりを発揮しておられた.

波語の同じ会話を30遍ほど繰り返し聞くと,一種のゲシュタルト崩壊を起こしてきて,
もう聞いたって何の価値もない,という確信に満ちてくる.


7月24日

一昨日の公約は守れるか分からない,というか自分からはあまりやりたくない気も.
波蘭語で金額を言われても分からん.電話番号はもっと分からん.
明日から玉原.勉強するどー.


7月23日

この日は日記を書いていなかったようだが書き直すにも時すでに遅し.


7月22日

今度の玉原で「ヒルベルト空間 H が H-{0} と可微分同相になる様子の楽しい図解」ができるかもしれない.


7月21日

今日は楽しいスイカ割り.そして二次会はフレアバー(幾何学界では有名なのですか?)に行きました.
二回も,客の誕生祝いがあって,そのたびバーテンのパフォーマンスで大騒ぎ.一体二回目ではどこで失敗したの?
Sわのさんの逸話を幾つか学んだ.また,Sわのさんの同級生,Mさんを知った.MさんとSわのさんのやりとりは
そこはかとなき面白さがある.

今まで書いてきた内容から十分察せられると思いますが,ポーランドに行きます.
その前にチェコの Prague topological symposium にも行きます.Topology を多様体の幾何学と
そうとは限らぬ空間の幾何学の二分野に分かつとすれば,後者で一番大きなシンポジウムが
チェコで5年に一度開催される Prague topological symposium ではないでしょうか.
ここでは畏れ多くて発表などできませんので,その satellite event たる
ポーランドの集会で話させてもらうことになりました.
研究内容の紹介も兼ねまして,アブストラクトにリンクします. これ.

修論から何も発展がないぞとのつっこみはなしです.

さようならは波語で do widzenia ですね.どヴィヅェーにゃ.


7月20日

「指さし」読むだけで面白い.キャラクターがかわいい.
というか面白いのは僕ばかりではないようで,そして実際役立つようで,
アマゾンでは各国版とも5つ星の評価が連発されている.

その一方で,ニンテンドーDSが会話帳に化けるという「DS版」は不評をかこっている模様.


7月19日

「旅の指さし会話帳」が面白そうなので買ってみた.

「日本の文化…日本の犬 柴犬 sibaken 秋田犬 akitainu 北海道犬 hokkaidou-ken」
たぶんこれはネタで追加された項目だろう.

巻末のシリーズ一覧に「旅の指さし会話帳 大阪」というのがあって
ひょっとするとこれもネタではないかと思わせるものがある.


7月18日

色々と発表することがない.困った.
困ったのではーツホーンの和訳を眺めてみるテスト.

しかし波語の放送をリアルタイムに,かつ複数チャンネルで聞けるなんて
別に波語に限らないけど,昔の人は夢にも思わなかったことだろう.


7月17日

無線 LAN の技術的問題が解決した.サポートに一万円?払わずにすんだ.


7月16日

Sのはら君に会った.
脳内のコントンをそのまま出力したような,話になってしまった.
証明の中の印象に残った図形だけを黒板に描いておいて,
「さて,この絵は何だったでしょう」


7月15日

「自分の部屋をインターネットラジオの波蘭語で賑やかにする作戦」とて,無線 LAN 接続を導入.
完全に技術的問題は解決していないが,
たとえばこのページから聴取はとりあえずできるようになった.
あくまで,波蘭語を自分の身の回りに流通させることが目的であって何も分からない.
十年経っても何も分からないかもしれない.
ていうか,数学せよ.


7月14日

航空券に引き換えられるべき書類というのはこうも安っぽいコピーであるとは知らなんだ.
今日は昨日よりだいぶ元気になった.授業を受けてレポート問題をもらった.
この問題を解く時間があるかはやや謎.

数学基礎論はなんでこう意味不明なほど数学者に嫌われているのだろうか?
数学基礎論の内容はまさしく数学で,数学基礎論は数学の他の部分に役に立つし,
僕の知る限り,代数・幾何・解析にない物の見方を提供しているはずなのに,
なぜ嫌う必要があるのだろうか?

微妙に関係はないんだけど,「非可算」と「連続体濃度」の混同も気になるといえばなります.
「非可算個ある」では「実数と同じまたはそれ以上の個数がある」という主張にはならない
ということに意識的な人は,数学人口の何パーセント存在するのでしょうか….
いや,実は誰もが,それを百も承知で混同しているのだったら何も問題はないのですが.


7月13日

今日は進歩がなかった.そして暑い.
倉田令二朗の著作集が印象に残った.

最近記憶力が本当にない.超短時間の記憶が特にダメ.
数秒前にやったことについて,「あれ,これは本当にやったっけ?」
とか考える始末.


7月12日

筑波で見つけた絵.

Bing の radial engulfing を解明するといいことがあるかもしれない.


7月11日

坪井研の日.特異点論の集中講義があるため早く終わった.
最近元気がない.元気のもとをください.


7月10日

地球の歩き方旅プラザ,地味で見つけるのに苦労しましたが(なにしろこの季節は蒸すのでね…),
あれはやばいです.欧州鉄道旅行のエキスパートですよ.
こっちで「プラハからクラクフまで,これに乗りたい.一人部屋の個室があれば」
と日程を見せたら,20分後には発券.時間は海外との連絡の関係で仕方ないとして,
ほとんど国内の切符を買う感覚ですべてが終わりました.あまりの呆気なさに
「これ国境越えますけど,パスポートどうするんですか?」
とか,むりやり質問までこしらえてしまいました(パスポートは車掌が預かるのが普通.
僕はこのことは知識としては知っていたので,改めて聞く必要はなかった).

あとは貴重品入れとか,旅先の不逞の輩のための対策.これは東急ハンズでなんとかなった.
軽いリュックも欲しい.いまのリュックで荷物が重く感じるのは絶対リュックの重さの所為だ.
GTM 一冊で重いんだから図書館の本を何冊も返すなんて…あっいや,ちゃんと返します.


7月9日

えーと,今日何したんだっけと思い出す.
何もしてない??


7月8日

変数ごとの連続性と多変数関数としての連続性との関係について.

最近語学の方がおろそかだ.


7月7日

「研究成果報告書」を見た.M先生が最初に書いておられる通り,例年より
かなり頁数が多い.そして同輩の名前もある.もっとも書いてあることは
それぞれがどんな分野の話か分かる程度なのですが.

(↑も言いすぎである気がしてきた)

むう.分からん.


7月6日

今日はなんでも+デニーズ.
いつもの通り水と伝票が来なかったので,伝票入り水が来ないだろうか
とか言って勝手に盛り上がっていた.


7月5日

ウィキの語彙数 の比較.
波語ウィキは 2006 年 1 月に急伸して日本語を抜いた.
しかし,その後の増加率は日本語の方が高く,このままでは抜き返されそうだ.


7月4日

今日は…時間の無駄がひたすら多い一日です.研究の援助を頂いている身としては,
このようなことがあってはならないと,深く反省する次第です.
「接続の微分幾何…」の入江君の発表を聞きにいった.ホップ束の絵について考える
いい機会になった.ああ…しかし彼らは正直賢い.僕にとってよく考えたら分かることが,
彼らにとってはすぐ分かることなんだな.まあ,これも今に始まった話でなし,数学人それぞれ.


7月3日

つくばで発表.こんな簡単なことでいいのかしら…な発表でした.
東京に飛んで戻った後,東大生協でPC購入…東芝の新入生企画は
もう売り切れてて,DELL のを買った.東芝のより高性能ではあるらしい.
すでに持っている,しかもすぐに新バージョンが出るという Office をあやうく
買うところだった.会計の直前に気づいて外してもらう.15 万円で 4 年間保証だし,
まあ満足かな.

帰ったら不要機能の削除と TeX マシン化.あべのりのインストーラを使ってみました!
これはなかなか快適! それから秀丸マクロも.これでD1標準レベルかな?
あべのりありがとう!
それから,諸々のトラブルの原因は Me をいまだに使っていたことにあるのが
よく分かりました.今までネット接続がうまくいったりいかなかったり,かなり機嫌に左右され
ていたのですが,今度はうまくいきます.ばっちりです.ウイルス対策ソフトもちゃんと機能
しているようですし.


7月2日

電源プラグのあたりをいじりまくっている間に,プラグの根元が
すっかり折れ曲がってしまって,電源がまったく入らなくなった.
この時点で買い替え決定です.

直前に悪名高き? Outlook Express の受信トレイと送信済みアイテムの
内容と,マイドキュメントの内容を USB メモリに移行しておいたので,
データの損失は最小限で済むはず.あまり捨てたくはないけれど,
OS が古いせいでいろいろ不都合も起きているっぽいし仕方ないですかね.


7月1日

PCの電源プラグの接触がひどく悪くなり(すでに5月頃から兆候あり),
もう瀕死の状態.なんとかして電源を入れて,プラグ部分
を動かさないようにして論文の修正版を書いた.
さすがに買い換えざるを得ないか.

まだ細かい修正ポイントはあるが,だいぶすっきりとしたし読みやすくもなっているはず.