簡易日記(2004年7月〜9月)

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9月30日

病院行って,合間にスタバで代数トポロジー勉強したり. なんでも.植村さんの,フーリエの熱の理論の話. 昔の人って本当に大胆だ.明らかに0になりそうな無限積も,あえて無限積のまま にしておいて,それに無限大に発散する式を掛けて有限にする. 無限元連立方程式を解くテクニックも,収束の定義などがちゃんとしていないから, これまた実に大胆(しかし,式を適当に移項して代入している内に上手くいってしまった という感がぬぐえないのがまた昔の人という感じ). そして,最後にそれらしい答ができれば良し. 昔は数学はほんとうに実験科学の一部だったんだなって思います. (当人の認識は厳密に証明したつもりだったのかもしれませんが…)

家に帰って,答案の丸付けを一時間半ほどでやって,眠れないので, 寝っ転がりながらベッドで可換環論を勉強した.といっても多分超基礎事項. 正規環まで一応理解した気になって眠くなった.寝ます


9月29日

テストゼミの答案を取りに行くのを忘れてた.危ない危ない. 今日は髪を切って赤っぽく染めた.最後にちょっとモヒカンぽくしてくれた. へーって感じ.


9月28日

****.ac.uk からのアクセスキター!

今日は府中試験場に免許の更新に行った.悪質な飲酒運転で家族を 失った悲惨な話をビデオで見た.しかし,あまりに悪質すぎて 大半のドライバーには身近に感じられないのではともちょっと思った. 警察の方のありがたき講義(更新時にしか受けられない)を聞いて, 二時間の講習を終えて新しい免許をもらって帰ってきた. 前の免許と微妙に写真の顔立ちが変わっているが,別人というほどでもない.

ところで「免許を持ちながら5年間一回も運転しないと優良運転者 になる」ことは ∀x(P(x)→Q(x)) が「P(x) を成立させる x がない」 という理由で真になる一例であるような気がして微妙にうれしい気が しなくもない.


9月27日

TSUKUBA は遅刻してしまった.坪井(明)先生には僕が来るまでの間 本筋と関係ない話をしてくれていたそうで,申し訳ないです. 無限次元のセミナーは今日はかなりあっさりとやった.

ついに論文を出しました.


9月26日

朝ごはんを食べたにもかかわらず午前中はずっと寝ていて何もできなかった.

今日は,「fg」と「gf」は違うのに,両側に伸びる 無限列「…fgfgfgfgfgfgfg…」と「…gfgfgfgfgfgfgfgf…」とは同じである というトリックを本質的に使った証明があった.なかなか感動的. 今までの議論が泥臭かっただけに感動も一入である.


9月25日

「単体複体のホモトピー型」に入る.コーラを飲んだ.

ところで10月の研究集会中に鉄道の日記念きっぷが有効というので 非常にキターな気分です.


9月24日

今日はの授業補助だったので,その前に授業で扱う問題をスタバで解いていた. 簡単な幾何的考察で解ける問題をすごく遠回りな方法で解いてしまって, やたら時間がかかって困った.

S○Gから8月分の給料が入った.バイトでこれだけ貰ったのは二年生のときの肉体労働 以来ですよ.ホクホク気分.


9月23日

斎藤君がロンドンに着いたようですね.

それにしても,マイヤービートリス完全系列の導き方ってそこまで 大変じゃないんですね.一番大変なのは包含写像 i:S(U)+S(V)→S(U∪V) が チェインホモトピー同値になることの証明で,これはルベーグ数に応じて 細分するという幾何学的議論.i のホモトピー逆の幾何学的意味が まだよく分かっていないのですが.大体開被覆に応じた細分操作である ことは分かるんだけど,この式のこの部分がなぜそうなるのかと言われると.


9月22日

やってみたいセミナー

Neukirch「代数的整数論」…分厚い本なので全部読めなくてもいい.教養として.
大森英樹「無限次元リー群論」…専門分野に近そうだが研究コミュニティーは ほとんど独立しているようだ.将来的な意味でやってみるといいかも
Banyaga「The Structure of Classical Diffeomorphism Groups」… Diff(M) の位相的というより代数的な性質に光をあてているような感じがする.
Kuratowski 「TOPOLOGY I,II」…ポーランドの数学について語れるようになりたい. 半分数学史.先日 Alexandroff-Hopf と書いたのはウソでした.
Rushing「Topological Embeddings」…難読だが一番分かりたい本. 典型的「手作り数学」である wild topology の細き長き道を照らす. Engulfing, Hauptvermutung,...
辰馬伸彦「位相群の双対定理」…なぜ勉強したいのか自分でも よく分からないがとりあえず勉強したい.

以上のうち一つでもやってみたいという私周辺の方は連絡ください. しかし,おそらくこの中の一つをやるのが私には精一杯です.


9月21日

今日は開被覆の nerve について勉強した.十分細かい開被覆から 位相的情報を取り出すアイデアってのはかなり古いのだろうか.


9月20日

直和に関する反例の最終バージョンをアップロードしました. もうすぐ投稿の予定です.


9月19日

今日は一日を代数トポロジーの勉強に費やした. といってもホモロジー群の基礎的なことなのだが, general nonsence な部分が実はほとんどのようだ. 昔は結構複雑なものに見えたのだが.

ホモロジー代数というのはこの general nonsence だけを 学ぶのだからなかなか辛い気がする.


9月18日

家に帰ったら,寝てから代数トポロジーの勉強をした.基礎固め. 入院した祖父を見舞いに熊本に行った母が帰ってきた. 祖母から「誕生祝」という紙包みを預かってきていた. もう誕生祝なんかしてもらう歳でもないのに.まあ孫というのは そういうものなのかもしれない.御礼の葉書を書いた.


9月17日

S○Gでのバイトの後,斎藤君お別れ会.井川君から代数幾何業界の いろいろと怖い話を聞いた.結局飲み明かすことに. 細田さんにお酒を選んでもらって二杯くらい飲んだら 眠くなって,あとはよく覚えてない.記憶が飛んではいないと思う.


9月16日

今日僕はIまい君に会ったのですが,「最近,日記に『〜やし』とか書いてますよね」 と言われまして,別に僕にとっては自然な係り結びのつもりだったのですが, 何かすべてを真似してしまってはIまい君の立場がないなぁと反省しました.微妙に 語尾を変えるよう工夫します.

さて,今日はラスト・さいとーセミナー…昨日まるでω_1を知り尽くしている かのような傲慢な発言した私でしたが,今日は途中から置いてかれ気味でした. 一番重要な結論は,零集合 A で A+A={a+b;a,b∈A} が非可測なものが 存在するということでしょうか.それに到る抽象論はあまり実質的に僕の知識を 増した感じがしませんでしたが…感じ方は人それぞれでしょうけど.

ところで志賀浩二の「無限からの光芒」はすごい本ですね. ポーランド学派の数学に関してこれだけ感動的な叙述ができるものとは. 射影集合・解析集合はどんどん細くなっていく論理の道筋の最終到達点 に位置し,Alexandroff-Hopf の "TOPOLOGIE I" はその記述をもって完結 しているのだそうだ.まさに孤峰という表現がぴったりである. それゆえに現代数学からはあまり顧みられない存在になってしまってもいるが.

そして,"TOPOLOGIE II"で述べられているという内容がまたすごい. 連続体(=連結コンパクト距離空間)がペアノ曲線であることは 局所連結であることと同値であるという金字塔的結果もあるが, 何といっても非連結性に関する精密な理論は知的刺激に富む. 「カントールの帽子」などの驚くべき反例が次々にあがり, その結果素朴な「バラバラさ」の概念が必然的に次々と細分化し, 昆虫か何かの分類学のようになっていく.その流れを汲む トポロジーの一分野が Bing などのやった連続体論だが, 奇妙な数多くの反例とテクニカルな議論の積み重ねにより 構成されているため,勉強が非常に難しいらしい. 確立したテキストもなく,日本で良き指導者を得るのは難しいという. しかし,それだけに僕にとってこれは一つの憧れの分野である.


9月15日

さいとー君のラスト・セミナーは「順序数と基数についての知識を仮定」だそうだ. さいとー,池上と僕あたりで相当順序数を普及させて しまったような. そもそもの始まりは僕が3年の前期で代数も幾何も解析も何もよく分かっていない とき,苦し紛れに順序数をテーマになんでもをやったことだった. 0=\emptyset,1=\{0\},2=\{0,1\} とかも,軽い嘲笑の言葉とともにとはいえ, 一応普及してきたような気がする.

しかし,池上君は名古屋に行ったし,さいとー君は英国に行ってしまう. これでは順序数ブームが終わりかねん. しかし順序数は面白い,とだけ言っておこう.

とくに最小の非可算順序数 ω_1 はさまざまな神業を可能にしてくれます.

ω_1 上に自然な位相を入れその上の連続関数を考えると,それは どこかで定常値に達する.その結果として,ω_1 は Stone-Cech コンパクト化 が求まる奇跡の位相空間になる.また ω_1 回の反復操作を考えることで, ボレル集合族の定義が「…について閉じた最小の」と言わなくてもできるように なる.そして謎だらけのボレル集合族が,ω_1 段 の階層に分かれていることが分かる.

しかし,神業の使い方にはある程度パターンがあるので, Zorn の補題と似たような感じで,ある程度慣れた後は 断りなく神業を遂行することになるでしょう.

は―日記じゃないし


9月14日

は―,9月も半ばやし.この休みは代数トポロジーを極めるつもりだったのに. しくしく.世の幾何学者が恐れている? 変ーんな空間でもホモトピー完全列くらいは使うことがあるらしいし. スペクトル系列で何かがわかるということは流石に有り得んのかな. しかしそんなこととは無関係に勉強はしてみたいものです.

今日はルベーグ積分のテストの監督をした.といっても,ご想像の通り 監督の仕事は非常に暇であるため,僕は一昨日言った補題の証明を その間にやることにした.それが終わったらブルバキを読んでみる つもりだったがその時間はなかった.しかし,ヴァイス先生は今回も 厳しいんだろうか.お手柔らかに願います. 僕もY島先生のルベーグは追試だった.追試は,他の勉強をしている合間に 試験対策しなければいけないので,大変だ.幸い追試で単位はもらえて今日 にいたる.

S○Gにテストゼミの答案を取りに行くときも,まだ証明に歯切れの悪い部分が あって考えていた.というか異常に脳みそ消耗してるし. 試験監督中の勉強は息抜きができないので,普通の勉強より疲れるらしい. 伴さんと会った.採点の仕事をしてますと言ったら 「ここは直観論理ですねとかいう注がつくんですか」と 言われた.なんでもの影響力おそるべし.

T岡君は京都へ行くんだそうで.また寂しくなります.


9月13日

3週間ぶりの筑波は遅刻した.7時起きじゃなくて7時出発だったのだ. それを勘違いしたがゆえの遅刻なので,全面的に私が悪いわけである. ちょっと言い訳をさせてもらうと,8月は筑波が夏休みのために, 午前の講義がなく,時間など大して気にする必要がなかったのである. ところが筑波は3学期制のため夏休みが短く,ちゃんと9月から授業 が始まる.さすがに夏休みが短いことは把握していたが.

午前は久しぶりのモデル論.初等拡大という概念が定義された. そのうち量化子消去とかいうテクをやり,すると代数的数の全体 \bar{\mathbb{Q}} が有理数体 \mathbb{Q} の初等拡大だと分かるそうだ. なんだかよく分からないけど,そのうち凄いことになりそうな気もする. ちなみにこの講義に出ているのは僕と筑波の院生二人.授業中に ツッコミを入れるのは僕だけで他の二人は黙って聞いているという ある意味非常事態が発生しています.

今日はやる気のないセミナーになってしまった. そろそろメモなし発表を基本にした方が張り合いが出ていいのかもしれぬ. CW複体にはなるけど単体複体にはならないような空間の例を 知っている人がいたら教えて下さい.

筑波のショッピングセンターで「ブドウ糖」を買った. 僕は一部の調味料を飲んだり食べたりする癖があって, 砂糖,味醂,オリーブ油などは美味と思う.変か. ブドウ糖はいける.場合によっては黒糖よりいけるかもしれぬ.高いが. そのうちオリゴ糖も買ってしまうかもしれない.


9月12日

という訳で,今日こそは筑波セミナーの準備です. 組合せ位相幾何学の醍醐味「明らかに成り立つのに証明できない」感を 今日はいやというほど味わいました. 困難はおおよそ,絵を描けば誰もが「正しいやろ」といいそうな ある補題に帰着されます. しかしその補題を証明するのが面倒だったため,その場その場で 苦しい証明を考えました.とても発表できる代物ではありません. 最後は眠気と格闘して,単体分割をもつ空間のパラコンパクト性が 言えました.


9月11日

筑波セミナーの予習のはずが,11時に起きた時点でもう駄目でした. という訳で,9月11日はさようなら.同時多発テロってたった3年前ですか. というか3年以上も前のことなんてろくに覚えてないし. 中学・高校といろいろあったけど,「いろいろあった」で総括されそうな 勢い.文化祭とか今でも普通に毎年見られるけど,ここ数年別に感動しない. 写真はいっぱい残ってるけどそのときに思ったことは写真見ても全然思い出せない. 塾とかで「自分が高校生だった頃のことを思い出して指導を」とか言われても無理やし. 一体僕は何者だったのだ?


9月10日

文章がどんどんIまい化してるし.は――もうだめ.もう助からんやろ.

今日は yasu テストだった.かなり淡々と受けた.たたみ込みを見ると 自動的にフーリエ変換して積に変換できる頭を持っていないとだめですね. というか,フーリエ変換の計算は何一つできなくてもそういう知識があれば 点数がとれる数学科のテストはある意味不思議だ.


9月9日

青春18きっぷを消費するために,立川→高尾→松本→長野→越後川口 →越後湯沢→水上→高崎→八王子と回った.というか計画は適当. 最初は平凡往復かせいぜい小海線で帰るくらいを考えていたんだけど, 長野駅で調べてもっと大回りできることが分かって実行せざるを得ないことに. 列車内では寝てる時間がほとんどで,某書物で 微分同相群の接ベクトルの定義を見てはぁぁとか思ったりしただけだった. 飯山線が工事のために途中バス代行だったのが多少珍しかったかな. バスからはノザワが自分の名前の紹介によく使う野沢温泉村を見た. 越後湯沢では駅の中の酒風呂というものに入ったがその営業時間が5時半までなのは 地方における駅の地位の低さを感じざるを得なかった. 全体として「寝た」ことしか印象に残っていないため,親に 感想を聞かれても何もいえず.

そういえばなぜ長野にしたかというと昨日の飲み会でネ内さんが「善光寺」 という単語を発したのを覚えていたからです. 文脈とか完全に忘れてるし.駄目だ. せっかくなので長野では善光寺に行こうかとも思いましたが自己内で 「は―興味ないし」という意見が圧倒的多数に達したためやめました.


9月8日

↓でトリ○アの泉のようなことを書いてしまいましたが,これは ルールブックを見れば三平方の定理から一目瞭然です.直角っぽい 角度が正確に直角であることが前提ですが.

今日は yasu の勉強をしたのだが,部分列を繰り返しとりまくる議論があって, それで頭を使ったことが原因で眠ってしまった.起きたら分かった(別に dependent choice に関することで悩んでいた訳ではありません).

夕方からは児玉さんのセミナーおよび壮行会.セミナーは葉層構造関係. 定義を知らなくてもそれなりに理解できた気になってしまうのが何ともいえません. もちろん限られた時間で行われるセミナーなので直観的に説明するのが よいには決まっている訳ですが,

1.「絵を描いて素通りした部分があることを反省し」
2.「そこで暗黙のうちに認めたことを定式化し」
3.「その証明を考える」

というのが自分には非常に味わい深い作業のように思われまたトポロジーの 醍醐味であるように思えてなりません.ここ数ヶ月に関していえば, 単体(胞体)複体に関してこのような作業を延々行ったのですが, なかなか感動的でありました.この感動を他人に説明することはほとんど 絶望的ですが.

壮行会は足助さんの「数学の定理を証明する機械ができたらどうする」 という話とネ内さんの「K野先生の料理」についての話が面白かった. K野先生といえば研究室を綺麗に片付けていることでも有名?だが, 玄人はだしの,しかも非常に凝った料理を作るらしい.数学者が 数学以外のことをやっている話はそれだけで面白いが,やはり 数学では表面に出てこない人間性が表れるからだろう.


9月7日

今日は Wolfram のオンライン数学辞典にはまって,一日をふいにしてしまった.

「野球のルールブックに決められた寸法のホームベースは」







「つくれない」


9月6日

昨日は 3 時まで勉強して,目覚ましをかけずに寝ていたら,試験一時間前の 12 時半.試験前に何を復習するかなど悩む暇もなく,大学に直行した.

試験の出来はあまりよくなかったが,まあいいと思った.基本的には慣れているか 慣れていないかの問題で出題範囲に近いところを普段から勉強している人にとっては おそらく易しいのだろう.本当に大変なところは講義でやっているわけで.

TAは「集合と位相」を担当することに決まった.ちなみに教官は 松本幸夫先生である.

これを担当する人は僕を含めて3人いる(採用人数は2人の予定 ではありませんでしたっけ?).業務内容は演習中に学生の質問に答えることと 先生の作成する問題の解答例をつくることだそうだ. ところでそれだけの仕事なら,3人も要らない気がするが…. 先生は「質問する人は少ないので,自分から話しかけて 積極性を引き出してほしい」と言っていたが,それが 必要なのだとすれば残念なことである. そういう配慮は高校かせいぜい大学教養 までで,学生が自発的に学んでいることが前提である 専門課程には要らないのではなかろうか. 学生に積極性がなかろうが,ちゃんと理解してくれていればそれでいい. 積極性がなくてなおかつ理解もしていなければ,それは本人のせいである (本当はそういう人が出ては困るのだが,専門課程は元々そうならない ような人を相手にしているのだから仕方がない).

スターバックスでキャラメルフラペチーノをドバーッとこぼしてしまった. 大半無事に回収できたが.不運だった.

閉曲面の分類定理の「よりエレガントな」証明が Francis, G. K. and Weeks, J. R. "Conway's ZIP Proof." Amer. Math. Monthly 106, 393-399, 1999. にあるそうだ.読んでみたい.


9月5日

終日試験勉強.講義のプリントを一回分プリントアウトし忘れていたことに 夕方になって気付き,あせった.位相群 G について,固定された空間上の 主 G 束の全体はいかにも集合にならなさそうだが,その同型類をとると集合に収まる (これは主 G 束が幾何的に認識できている人には至極常識的なことに見えると 思われる.Knot の全体が集合をなすように). こういう状況は数学一般に多いが,集合論では技術的にわずらわしく, どうもスマートに扱えない.何とかならないものか.


9月4日

皆さんお忘れかもしれませんが今日は僕の誕生日です. 23歳.もう少なくとも身体能力は自然には向上しないので, 日々研鑚に励まなければなりませんね.

よく考えたら明後日に河澄先生の試験ではありませんか.はー,聞いてないし. 筑波行けんし.そういう訳で,今日は Brown の表現定理(の使い方)と fibration の一般論をやった.一般論より例の方が難しいというのは 数学にありがちな訳で明日は例の方をやるのですが. もう証明を full に追うのが難しくなってきていますねぇ.

誕生祝いですき焼きと馬刺しを食べた.しかし,食べ終わって洗った食器を拭くのは なぜか僕だった.はー,いつもと変わらんし.


9月3日

部屋を片付けて,永井さんの運転する車で東京へ.中央高速が空いていて, 異常に速かった.駒場で降ろしてもらう.まだTAの採用結果が 出ていないと思ったら,今日まで院試の口頭試問があるようだ.

代数の部屋で某 ktr 先生が寝ている.
解析の部屋の yasu は横向きに座っていて相変わらず怖そうだ.

そういえば去年の僕の試問は非常にあっけなかった.なんとなく 落ちるような雰囲気の試問だったのだが,無事に通って, いまこうして東大数理の一年生をしている.時が経つのは 速いものだ.井の頭線で,家路に着いた.


9月2日

午前中は朝食を食べて,しばらく寝た後,永井さんに車で 「氷穴」「風穴」なる洞窟に連れて行ってもらった. どちらも洞窟内に氷ができている. 気温は夏の間はずっと0度だ.昔はここから江戸に 氷を運んだりしたらしい.すごいことだ.どのくらいが 江戸まで解けずに残ったのだろうか.

昼はカレーを食べて,午後はセミナー.池上君「Analytic set の正則性」. Borel セミナーでやった内容がかなり役立った.夕食の前後にわたって,松岡さん 「Cuntz の周期性定理」.C^* 環という非可換なものを持ち込むことで Bott 周期性が一般化され,しかもより見通しのよい証明が得られるらしい…が, 色々よく分からなかった.そもそも Bott 周期性をよく知らないし. その後,僕が Brouwer 不動点定理の組合せ位相幾何学的な証明をやった. あえて(コ)ホモロジーを用いずに証明をするということには 聴衆の同意はあまり得られなかったが,最後は「不動点の場所がある程度わかる 感じがする」というので意外に好評だった.その後,general topology という のは何を研究するのかという質問があったので,無限次元の話を少ししたりした. 皆「はー…し」ばかり言っている.僕も言っている.感染力が高いようだ.


9月1日

今日は4人ほどの人が富士急ハイランドに遊びに行ったが, 僕は遊園地嫌いなのでじっとしていた.Brouwer の不動点定理 の証明の細部を埋める作業をしていたが,あまり集中していなかった ので一日かかった.夜はバーベキュー.肉から野菜からすべて 宿が用意してくれていて至れり尽くせりである.肉は去年よりも いいらしい.米国産牛肉が使えなくて云々とか. 三枝氏と近藤君が大貧民で熱戦を繰り広げた.10点とられるごとに 何か一杯飲むというルールらしい. 近藤君は酔いが顔に出ないタイプだ.ほんとうにザルなのかは分からない. 最初は三枝氏が勝っていて近藤君が一方的にウイスキーを飲んでいた. しかし,途中で逆転して,最後は近藤君のKO勝ちだった. 「はー…し」は係り結びらしい.


8月31日

今日は朝から河口湖セミナーの荷物を背負って家を出た. まず調布で靴下を買った.浮世絵風の柄の.次に TAの採用結果を見に大学に行くが,院試期間中は事務処理が 停止しているらしく,これは空振り.もちろん集合と位相に越した ことはないが,北田先生の線型代数も先生から頼りにされてるっぽいし そこまで悪くはない.次に渋谷でアレルギーの注射をして, 某所で髪をカット&カラーする.河口湖ゆきのバスの時間があるので, 最初に早めに仕上げて欲しいと言ってみたが,無理とのことで諦める. インターネット予約したのが無駄になってしまった.違約金請求来ないかな. カラーは赤っぽい色にしてみたが例によって色はよく分からない. 下手すると染めたのかどうかもよく分からないレベルだ.まあ,すっきりしてよい. それと,プロの美容師のこだわりには毎回感心する. 「はーそんなこと僕には気付かんし」って感じ.

河口湖の夕食の時間に間に合わない可能性が極めて高くなってきたので, 宿の方に夕食キャンセルの連絡を入れる.宿の電話番号を控えておいて よかった.

新宿中央高速バスセンターへ.河口湖に停まるバスは意外と少ない. 結局一時間以上後の便しか席がとれなかったので,喫茶店で 珈琲を飲みながら,Brouwer の不動点定理の証明を予習したりする. それにしても,高速バスは座席指定のものとそうでないものがある らしい.つくば行きバスは自由席+満員次第発車だ.東京駅発の常磐道の便は だいたいそのシステムだろう.それに対し新宿発の中央道の便は座席指定なのだ. 慣れれば何でもないが,バスは列車と違っていろいろなローカルルール があるから最初は戸惑う.そういえば中学の修学旅行先で,整理券方式の バスの乗り方が分からず僕に聞いてきた人がいたのを思い出した.

河口湖行きのバスは,ビジネス客中心のつくば行きのような殺伐とした 雰囲気がなくてよい.みんな行楽気分なのか楽しそうにしている. 例によって高速道路上では睡眠.時々高速道路上のバス停に停まっている ようだった.この高速道路上のバス停というものはなかなか地味な代物だ. 降りたとしてもそこから先の交通手段がないような気がする. という訳で,8時くらいに河口湖駅前についた. 夕食を食べられそうな店はことごとく閉店していたので, コンビニでカップラーメンを買って食べることで とりあえず間に合わせ.僕は最近間に合わせの食事が 平気になってきた.昔は健康を意識したりしていたが, 近頃は寿命がちょっと縮むくらいいいじゃんという感じ. 寿命が百倍とかのオーダーで変わるなら気にもするが,おそらく 多く見積もって 1.5 倍かそこらだろうし.数学の大海の中で 1.5 倍に勉強量が増えたって別にどうってことないって感じ. これは多分まともな価値観じゃないけど,僕には 結構リアリティーがある.ちなみにここ二年ほどは 結婚もしなくていいって感じ.なにしろ子供に対して 重大な責任がのしかかりますからねぇ.僕の父親も 「本来ならもう死んでもいい頃だが, 君がいるので死ぬに死ねない」と言ってるし. ちなみに父親はあと6年くらいで定年. 早死にの家系に生まれたので自分も早死にすると 思っているようだ.

さて,宿までは交通手段がすでに尽きているので,タクシー. 2000円かかった.貸し別荘とかいうもので,別荘風の建物を 泊まっている期間中建物ごと貸してくれるようだ.それで この値段は安い.参加者は10人ほどなのに20人は泊まれそうな感じだ. 僕が着いたときは近藤君がセミナーをやっていた. 何かと何かの共役類の個数が mod 16 で等しい群論の定理 (詳細忘れてしまった).へぇという感じ. 永井さんのうめき「ウウオァァェ」. うめきが連鎖反応して「うめきの館」状態. 「最中限」なるトランプゲームを知る.むずそうだ.


8月30日

S○Gでクラス分けテストの採点をやった.よく分からないのは面倒なので結構0点 にしてしまった気がする.好意的に解釈するのって本当に疲れますよ….


8月29日

Hurewicz の定理の証明,最後のページがよく分からない….立方体で定義された ホモトピー群の演算を,任意に固定された同相写像を通して単体にもってくるとどうなる?


8月28日

細田さんと鉄の飲酒部部長と飲み.十年分のアルバムを持っていく. 僕の旅行の思い出って,その気になれば全部携帯できるほどのものだったのね. 写真を見てもらうだけでほとんど何もしなかったけど,部長は感心している様子. (大嶺キター! 深名線キターーー!!)その時は当たり前に走ってたんですが.

銀座ライオンは格調高いビアホールだった.あきらかに居酒屋じゃなくて 「ホール」だったし.これで僕がビール好きだったら何も言うことはなかったの だが.その後,地学科のHさんとも一緒に上野でのんだ.


8月27日

最終日.ベクトルで直線を表す.


8月26日

ベクトルの内積.


8月25日

始点が違うと違うベクトルに見えてしまう人がまだ多いようだ. 授業後に,頼まれて簡単な問題をつくったりもした. 午後は,直和の論文を仕上げた.字数を増やさずに,真に 強い内容を盛り込むことができて満足する.今までの無駄が多かった のだろうか.


8月24日

平面ベクトルの一次独立性.感覚的な導入ができることも時には重要だなぁと思った. 午後は大学にレポートを出しに行ったり,病院に行ったりした.


8月23日

午前中はS○Gで平面ベクトルの授業手伝い.あまり仕事がなかった. 午後は筑波.距離位相を入れた単体複体が完備距離をもつ必要十分条件とか, 導細分とかをやった.


8月22日

昼までは寝ていた.午後はだらだらと勉強した.


8月21日

池袋で数理+元数学科メンバーでの飲み会.こういう機会がこれからも 時々あるといいと思う.二次会は,ノザワの新居?にて.すごい. 兄弟3人暮らしっても珍しいけど,それが高層マンションの最上階ってのもすごい. 男三人で暮らしてるわりにはきれいだなーと思ったが,片付けたのだそうだ. 時々こうして飲み会をしたら片付いていい? 弟さんに会った. 顔の形が似てる.

結局帰らずにオリンピックを見たり,そんな感じだった.自転車が画面から 走り去る速さは見ていて面白い.ゲームみたいだ.ところで,アスリートと いえば引き締まった体格の人を想像するが,女子円盤投げの選手は 脂肪がプルプルしている人もいた. 毎日が練習漬けという訳でもなく 普段の日は主婦をしているものと推測.


8月20日

今日で「命題と論理」の授業補助は終わり.全体的に, 命題を論理記号で言い換えて言い換えると答が出るような問題が 大半だったが,その辺の訓練がこの講習の眼目なのだろう. 今日は先生が「多項式が等しいことは すべての実数で値が等しいこととは違う」と生徒に説明し, 「この多項式のことを含め, 教科書には説明を短縮するためのウソがたくさんある」 とも言っていた. S○Gはその辺をかなりちゃんと意識しているらしい.

さて,レポート.新井先生のレポートは終わった. 「まとめ」を大幅にスリム化.平地先生のレポートも,前もって 解いておいたものを TeX 打ちして,その過程でちょっと 詰まる場面もあったが,できた.


8月19日

新井先生のレポートに着手.今日は眠くなかった.


8月18日

朝眠すぎて困るし.昼眠すぎて困るし.


8月17日

今日も午前はS○G.生徒の出してきたレポートの添削をしたりした. 午後は久しぶりに駒場の学食で食べて,数理棟の院生室で仮眠をとった後, そこにやってきた二木君に群コホモロジーのレポート問題について聞いたりした. さいとー君に久しぶりに会って,メシに行った.


8月16日

午前はS○Gで授業のお手伝い.「命題と論理」という授業で生徒が 演習問題を解いている間に見て回ったりそんな感じ.みんなあまり質問しない からどんどん話しかけてやってくれとのこと.最後に論理結合子「→」の解説. これは難しい.というか僕も「∀」と組み合わせない単独の「→」は よく分からない.でもこういうことは大学生になっても難しさは変わらないから 早いうちに種を蒔いておくのはいいかも.

午後は筑波に移動.直和の反例の系として,Boolean algebra に関して昔論じられていた ある問題に関する反例が得られるようだ.初めての例ではないようだが.


8月15日

今日は基本的にお勉強.単体分割された空間の弱位相と距離位相というのがあるのだが, 距離位相の方は直積位相と両立する(ちなみに弱位相はダメ)というのをやった. 最後に証明が微妙なところがあってやり残し.


8月14日

えーっ! 一週間後に飲みですって?

新井先生の問題をちょっとだけやった後,筑波の予習をやった. 単体細分の難関を突破できたけど,一難去ってまた一難かなあと思ったら 今回は割と読み易かった.PL 写像の概念を正式に知った. Milnor による Hauptvermutung の反例を 一度読んでみたい.固有 PL の合成が PL なのはいかにもなんだけど, 証明本当に大変なんでしょうか.

アテネオリンピックはじまりましたね.昔から世界地図を見る習性があったせいか, 入場行進に知らない国の名前はほとんどなかったです(自治領とかは 分からないこともあるけど).セントビンセントおよびグレナディーン諸島とかいう 国の名前が小さく書いてあるのを見出して喜んだりしてましたね昔は. それと,似たネタではイギリスの正式名称は意外と長いなんてのもあります. まあそれはよいとして,柔道の谷選手,野村選手金メダルおめでとう!


8月13日

今日は一日中ほとんどなんにもせず,ネットをやったり,寝ていたりしていた. 新井先生の問題もろくに考えなかったし.自分でもだれてるなあと思った.


8月12日

13時からブルバキだという事実に気付いたのは自宅で,13時10分.ひぐち君に メールするも返事なく,そうめんを食べてから出かけるが,数理棟に彼等を発見できず. 家に帰ったらひぐち君から返信が来ていた.1階でやってたとか.ほんとすいません. 自習しときます.

せっかく数理に来たので, 待望の Engelking の本を借りる.図書館に到着したというメールを 昨日みたのです.うーん僕以外にどんな人が 借りるんだろう.貸し出しカード制度がなくなって残念. もともと初学者用テキストだったようだが,この厚さになっては辞書としか いいようがない.


8月11日

駒場の生協から,PCが修理から戻ったとの電話.そういう訳でメールも復旧. この日記も更新できた.なんか数理棟は塗装工事をしているようだ. 松尾先生が教養学部報に文章を書いておられる.読んでみましょう.


8月10日

一日の半分寝ていましたごめんなさい…あっ,S○G でちょっと働けることになりそうです. 多変数関数論のレポート問題を六時間くらいかけて一問解けて感動して,寝た.


8月9日

筑波.矢ヶ崎先生から送られてきたという,山形の懇親会の写真を見せてもらった. なかなかいい感じ.今日は一昨日からの懸案のことで,酒井先生と二人して考えた. 5時くらいまでかかって,やっと証明はできた.こんなことを書いてある書物はないだろうな.


8月8日

まだ証明は埋まらない.ていうか寝すぎだし. 結局終わらないまま筑波行きになりそう.


8月7日

筑波の準備をはじめた.胞体複体は頂点を増やさずに単体複体に細分できる ってアイデアは分かるけど論理的に証明するのが難しすぎる!


8月6日

久しぶりに,河澄先生のプリントを見てみたが,やっぱりどうも分からない. 先生に聞いてみようか.可換になってほしい図式も可換にならなくて,なんとも 気分が悪いことです.被覆空間を絵を描いて考えていたら,母に楽しそうねと言われました.

Banyaga の The Structure of Classical Diffeomorphism Groups を借りましたよ.


8月5日

帰ってきたばかりということもありぼーっとしていた.いろいろあったなぁ.


8月4日

新人セミナーもその日程が終わり,朝のバスで山形駅へ.西口のロータリーで解散した. まだ駅にはトポロジーシンポジウムの看板が残っている.

仙台行きの列車に乗ると田所さんと宗貞さんと一緒だった.山寺に行くらしい. 山形新幹線が普通の新幹線と違うのはなぜか聞かれたので説明したりした. 僕は一路東京へ.といっても常磐線だからそれなりに時間はかかる. 途中,特筆事項なし.夜,帰宅.18きっぷはまだ3日分残っている.


8月3日

蔵王高原をピクニック.弁当を携え,ローソン蔵王温泉店でミネラルウォーター を買って,ロープウェイに乗る.それで,起伏の少ない散策路を一周,途中で小さな山の 頂上に登ったりした.ドッコ沼では思わず「どんこ」を想像してしまった. 滝では,滝に入って修行されている方が数人いた.最後に,スキー場の斜面を 歩いて降りていって,途中で斜面を駆け下りて止まれなくなる人も数名いたが, 全員無事に麓にたどりつくことができた.もちろんベッカムを含めて.

みんなで大露天風呂に行く.観光名所らしいがちょっと人が多すぎたような 気がする.朝の人の少ないときに行くといいのかな.

夜の懇親会. 西瓜の種数を増やす人は,その前に壁の種数を増やしていたらしい. 但し,正確には「壁の表面の種数」. 土屋くんの手品の種は結局よくわからなかった. 飲むものがなくなって,結局この日も2時くらいでおひらきになった. 5時までOKじゃなかったのー.

ノザワが来年の幹事に指名された. 来年はどんな新人セミナーになるんだろうとちょっと楽しみだ. いろいろ手伝えることは手伝って来年は頑張っていきたい. ピラフっぽさも大事にしたいけどね!

ノザワ幹事に「根はまじめだからね」と言ったら「よく分かってるじゃん」て. いやいやほんとに.君はやる時はやるからねぇ.


8月2日

今日は一日中セミナーで,僕も発表した.近頃やっている事をちゃんと紹介 した方がいいと思い,思いつきで Con(ZF)→Con(ZFC) の 「証明」を書いたりしたが,意外と不評だったようだ. ちなみに僕の発表の直前にノザワはトイレにいっていたが, 昨日スピリタスを飲みすぎて気分が悪かったので自分で吐いたらしい.皆さん気をつけましょう.

沢山講演を聴いた.山形の地理と歴史に異様に詳しい人とか,色々あったが 全部書いたらきりがないのでやめておく.結局 「ベッカム」と「西瓜の種数を増やす人」が有名人になったっぽい.

橋本先生の「○○○○説と○○○・○○○○対応」の話を聞いた.S_n が n+1 点に 固定点なしで作用するのは n=5 に限るんだって.これはすごい.と思ったが, PSL(2,F_q) が出てくる辺りからよく分からなくなってしまった.

今日の懇親会は内田先生が買ったおもちゃ入りせんべいを各部屋の代表が食べたりした. いろいろ変な味のキャラメルコーンを食べた気がする. 昨日ちょっと飲みすぎた気がしたから,ソフトドリンクばかり飲んでたかな. 割りと早くおひらきになった.


8月1日

円織面の話をしていた人は足助さんの元学生らしい.へー.

昼は暇だったので,ミスドにこもってシェーンフリースの定理の証明を見たり していた.この論文は読者に何を仮定してるのかよくわからん.

トポロジー新人セミナースタート.バスに揺られて蔵王へ. 新人セミナーはセミナーという名の自己紹介(数学の話はあまりしなくていい)が 中心.今日は経験者の何人かのセミナーを聞いた. 懇親会では富沢さんにすすめられてスピリタスをごく微量飲んだ.舌が焼けるようだ.

橋本先生とも少し話した.橋本先生はこの日記で僕の人となりを知っているらしく, 日本の general topology のお話だった. Encyclopedia of General Topology の執筆陣など からも分かるように,日本の general topology のレベルは実は非常に高い. そもそも橋本先生のいらっしゃる大阪市立大も,今は結び目の拠点になっているが, 以前は距離付け可能性に関する Nagata-Smirnov の定理で知られた 長田潤一先生が教鞭をふるっておられ,general topology の拠点でも あったそうだ.君は general topology の将来を担っているんだから頑張ってくれ, と激励の言葉をいただいた.

アミノサプリ入りの二階堂を飲んでかなりやられた.ソフトドリンク が切れていたので,自販機にジンジャーエールを買いに行く.1時40分, もういいやと思って部屋に戻って寝た.


7月31日

今日の午前は general topology ということで,大阪教育大の小山先生 が座長を務めた.まず,一の分割の拡張.最初の方の定義は知っているので, 余裕だぜーとか思いながら聞いていると,あっという間によく分からなくなった. あらら.写像の拡張問題というのは,結構 general topology の古典的 テーマであるようなんだけど,今回は複数の写像を同時に拡張する場合を 考え,一の分割の拡張をやるらしい.1996年に Dydak さんが提起した 結構新しい話題なんだとか.しかし基本的な武器はいまだに素朴集合論な訳ですから ある意味すごいですね.でも,将来性からいうと 集合論的トポロジーは consistency results を出して集合論とくっつくのが いいような気がします.個人的に.

それから Torunczyk 先生の,ゲーム理論と Borsuk-Ulam theorem の関係に ついての講演.ポーランド風英語の発音は,日本人にはとても真似できません. これも内容を把握できたのは最初の方だけだった.でも,面白そう.

昼は,昨日とは違うそば屋に行った.どこも歴史がありそうな感じ.やっぱり 山形はそばだ.

午前の講演を聴きにきた general topology 関係者の方に,「直和の論文」 を自己紹介かたがた見せて回った.
皆直積の例は知っているが,直和は初めて見たという. 特にあてはまる分野というものもないらしく(当然?) 新しいか判断できそうな専門家の名前も挙がらなかった. まあとりあえず投稿するしかなさそうですね. とりあえず,静岡大の山田先生,大田先生に会えてよかったです. そのあと,香川大の深石先生とお話して,Torunczyk 先生が実は 無限次元の専門家で,Q-manifold の特徴づけをしたという重要情報 を入手.休み時間中,Torunczyk 先生に英語で話しかけて,ちょっと挨拶をした. 実は英語でちゃんと外国の人と話すのはこれが初めて.話してみるもんだなあ と思った.これは貴重な機会だったかもしれないぞ.うんうん.

午後の講演の目玉は「一般公開講演」であるという小島先生の「ポアンカレ予想」の 話だったのだが,実際に訪れた一般の人はたったの6人だったという. 市民むけには全然宣伝していないんだから当然だと思いますけど…. ところで小島先生,「多様体の定義を繰り返しますと」と言ったときには まだ多様体の定義はしていなかったと思うのですが.まあ細かいことは言わない? でも3次元多様体論の発展の歴史については僕も全然知らなくて,非常にために なったと思います.連結和分解の存在と一意性はまじすごい.某君からは 目の敵にされている連結和ですが.

夜は懇親会で,矢ヶ崎先生に(微分)同相群の話を聞いたりした.Torunczyk 先生とも 記念写真を撮ったり.あまり色んな人とは話さなかったような.

その後はノザワとサシ飲み.魯山人という名前のお店. サシは初めて.結構熱く語ってた気がする.ちょっと酔っぱらったかな.


7月30日

シンポジウム二日目.ノザワ君は大層遠いところにお泊りのようだが, 僕は山形駅を通り抜けるだけで会場に一直線.芝生を斜めに一直線だ.ふっふっふ. さて,今日は(いつものように)非常に眠かったので,講演中は起きて 聴いているのが大変だった.F田M雄先生の講演に至っては, 次のようなことしか記憶に残っていない.

「torsor とは,1点上の principal G-bundle であって…」

(何!? principal G-bundle ? わかるわかる!)
     ―その次の瞬間から記憶喪失―
「えーもうあまり時間がありませんが―」

(あれっ? さっき講演が始まったんじゃなかったっけ?)
(急いで説明している様子のF田先生)

「ありがとうございました(場内拍手)」

F田先生申し訳ありませんでした.

昼休みはソバを食べにいった.美味しい.けど,歩いて店に来るのは我々だけで, みんな車で来ているらしかった.

午後は,この後新人セミナーで顔をあわせることになる栗屋さんの講演とかを聞いた. 夜は,ノザワと逆井さんと一緒にラーメン屋に行って,それからバーでのんだりした. 逆井さんはオペレーターというカクテルをたのんでいた.ノザワもアレキサンダー とか頼めばよかったのに.カーディナルを頼まなかった僕が言える立場ではないかな. 今日逆井さんにしてもらったデーン手術やカービームーブの話は, トポロジー新人セミナーで何度も聞いたような気がする.


7月29日

というわけで日記再開.

荷物はリュックサックに収まった.欲がなくなったせいか,必要最低限 のものを入れたらそれでもういいという気分になる.昔はあれも入れたい これも入れたいと思ったものだが.

青春18きっぷで山形に行こうということで,5時すぎの南武線で家を出発. この前の高架化で矢野口駅がかっこよくなっている.まだ下りだけだが. 府中本町,西国分寺,神田で乗り換え,上野から,勝田,いわき,原ノ町で 乗り換えて常磐線まわりで仙台へ.七夕飾りを眺めて,牛タン弁当を携えて仙山線へ. 山形は15時14分に着いて,20分遅れでシンポジウム会場に到着. (ところで昔だったら道中のことをもっと詳しく書いたんだろうけど…今となっては 時間がかかるだけで普通の交通機関を使ってる感覚ですねえ.むしろ新幹線の 方が非日常感高いかも.)

今日の講演は二つあって,最初はノットの話.次は,topological symmetry group という ものの話で,これは英語の講演だったにもかかわらず,かなり分かり易かった. スミスの定理が出てきた.

この日はスズランという店に飲みに行った.芋煮と刺身.山形には海はありません. この店にはM本Y夫先生がいらっしゃったそうだ. 駅前のホテル東陽に泊まり.


7月28日

今日までで当分日記の更新は止まる.明日から8月1日までは山形で トポロジーシンポジウム,それから8月4日までは同じ山形でトポロジー新人セミナーだ. それが終わっても,僕のPCを修理に出すつもり なので,それが返ってくるまで更新は止まってしまう.そういう訳で, 全国の数少ない読者の皆さん(そもそも読者を想定しているのかという疑問も あるが)にはご迷惑をおかけします.メールもPCが返ってくるまでは 使えません.ご容赦ください.

青春18を買ったり何だりで今日は色々な事に追われそう. 問題は数学の本をどのくらい持っていくか.これで, リュックサックで行けるか,ドラムバッグが要るかが決まる?


7月27日

今日は筑駒の特別講座の講義録を作った.WinTpic を久しぶりに使って 関数のグラフを描いた.曲線の下の部分を塗ったりしたかったが, それは機能にないっぽかった(本当はあるのかも).


7月26日

はー.メモリ入れる場所ないし.もう増設されてるし.

折角7000円の大枚をはたいて買った増設メモリを入れる場所がない. と いうか,その場所に既にメモリが入っている.まったく,ひどいことだ. 説明書に「メモリの増設」とか書いといて初期状態から増設されている とはこれいかに.あるいは僕の記憶していない遠い昔に増設しましたか?  とりあえず僕がメモリなるものを手で扱ったのは計算数学の PC組み立てと今回だけのはずですが.

このメモリ,どうすればいいんでしょうね…箱を開けてしまって返品もできないし. ヤフーオークションとかで売ればいいのかな?

まあいいや.酒井先生のところでのセミナーを久しぶりにやりました. 直和の反例はもう少し改良して Euclid 空間内にコンパクト集合として 作れるようなのでそうすることにします.ところで坪井先生はコンパクトでは無理 とおっしゃっていたような気がしますが…?


7月25日

今日はACの発表だった.Lに整列順序を入れるところで少し勘違いをしていた. Lがすべての順序数を元にもつ最小のZFの推移的モデルであることも示した と思うのだが,ちょっと追えていないところがある.見直しておこう. 無限次元の予習の続きでは,胞体複体におけるホモトピー拡張定理をやった. 河澄先生のときに「CW対はコファイブレーション」という定理をやったので 実質的にそれに含まれているのだが,今回の場合の証明はかなり簡単だった.


7月24日

今日は無限次元の予習をした.胞体複体,といっても多面体を cell に用いる 単体複体の単純拡張バージョン.ここまでの議論でベクトル空間の幾何を 展開しているために,イメージ的に成り立つようなことがちゃんと厳密に 証明できていく.うれしいことだ.


7月23日

河澄先生の授業(だいぶ前の)を復習した.主 G 束から,van Kampen, CW 複体の基本群まで.最後にどうもよく分からないことが残ってしまった. 準同型と主 K 束の間の1対1対応は自然になるはずなのだが,自然になるか よく分からない.普遍被覆が何者かよく分からないのがその原因か.


7月22日

河澄先生の授業は受けられるのは今回が最後になりそうです. S○Gから入社案内なるものが来ましたよ.9月はこれで何とかなるでしょうか.

トポロジー新人セミナーの参加費はいつ徴収するのだろうと思っていたら, すでに納入期限が過ぎていることが分かった.あわてて納めた.


7月21日

河澄先生の授業の復習をしたが,あまり集中できなかった気がする.


7月20日

ACどうしたのかなあと思ったら,次の日電話がかかってきました. 直和の反例を小澤さんに見せてみましたが, 別に自明な結果ではなかったようです.ヨカッタ.

松坂和夫の「線型代数入門」を買った.ジョルダン標準形の証明が いまいち理解できていないので,この本で見ておきたい. 教養の線型代数のテキストは大雑把に「斎藤」「佐武」と「お手軽系」 ですが,この他に「松坂」があってもいい気がします.「佐武」を 一年生が読むのは普通に考えて無謀かと.


7月19日

折角準備したのに,準備したノートを家に忘れてしまった.僕の記憶力は 幼稚園児なみなので,ノートがないと発表もできない.仕方が無いので テキストを斎藤君から借りて,それを読みながらやったが,ひどいものだった.

家族で立川に食べに行く.天ぷら屋で定食を食べた.帰ってからはACをやった. これからやんなきゃいけないこと…筑駒のノートの清書とアンケート集計, 層・圏・トポスのプリントの完成,(微分)位相幾何学の勉強,無限次元の 勉強,その他もろもろ,….


7月18日

夜は院生室で過ごして,朝5時に寝た.かなり変な夢を見た.一番すごかったのは, こんな感じだ.ある作家が行きつけであるという池袋の薄暗い建物の中のラーメン屋 を友達のホームページで知ったので見物にいくと, その裏側に一面青色トタン張りのバラック建築の市場があった.ものすごい数の 店がひしめいていて,「○○商店」という屋号を記した筆文字の小さい看板 がずらりと並んでいて,食べ物が湯気を上げていて,人であふれかえっていて, かなりの人がその光景を物珍しげにそれをカメラに収めていくのだ.このような 雑多な一角を通り過ぎると,山手線のガードが見え,更に まだ巨大バラック街は続いていたが,そこに大きな グラウンドのような広場が現れた.そこでは消防訓練が行われていた.こんな 場所では火災も起きやすいから地元の消防署がやっているのだろう.訓練をしているところ を,何度か消防士の制止を受けつつ通りぬけると,そこではどこか野球部が 野球の練習をしていた.さらに進むと,緑の木立に囲まれたところで,僕の 高校時代の級友がサッカーか野球かをやっていた,更に進むと僕の出身高校 になぜか移動していて,体育館で僕の級友のバスケ部員がバスケをしていた.

一体何なんだこの夢は.念のため池袋にバラック街がないか検索してみたが, 昭和30年代初頭に取り壊されたとのこと.タイムスリップ?

昼,家に帰ってからはブルバキの予習をした.ブルブルバキバキ. Pour que...,il faut et il suffit que...構文だらけだった.


7月17日

今日は昼まで寝ていたら,親に怒られたので,夕方まで寝てから大学に行き, ACの準備をした.最近どうにも眠いんです勘弁してください.


7月16日

今日はビアパーティーだった.今年も留学生を中心に西瓜割り.桂先生が すごく丁寧に誘導していたから留学生はみんな大成功.そりゃ折角の滅多にない機会が 失敗じゃかわいそうですよね.日本人には観客のみんなも容赦ないって感じ.

応用数学が専門という駐日ブルガリア大使から,数理のみんなに問題が. どこかで見たことのある問題だと思ったら秋山仁の著書にあったようだ. 5分以内に解いた人には千円あげますと言っていたが,5分以内に解いた人 は誰もいなくて,結局ボッシュートになってしまった.その後,大使の英語による 解説を日本人向けに翻訳して説明する人や問題の拡張を考える人などで黒板の前が 結構にぎわっていた.

みんなは二次会に渋谷に行ったが,坪井研はインゴさんのお別れ会で 駒下の通称「魚屋さん」へ.大阪教育大の小山先生は坪井先生や中江さんとも 親交があるらしい.ポーランド語がしゃべれるそうだ.どんな人なんだろう. 僕もなんとなく Polish space と Banach 先生で有名な(?) ポーランドに行ってみたいと思ったことがある.それを ふっと口に出すと,「ポーランドには山下くんの理解者がいっぱいいると思いますよ」 と坪井先生の弁.なんだか自分は日本では理解されてないみたいで複雑な気分だった. まあ,理解されないなりに一人で勉強を続けることはできますし筑波にもアドバイザー はいますから当面あまり心配はないわけですが.でも留学は将来的に視野にいれるべき かな.筑波の学生はあまり海外に出て行かないというので,そういう状況に 風穴を開けたいというのもある.ポーランド語勉強せんと. それと,筑波の他の先生とも交流を深めたいな.ワイルド関係に詳しい川村先生とか特に. 向こうの交流行事(詳しくは知らないけど ビアパーティーのような何か)にもできれば参加したい.


7月15日

ニッポン放送が開局50周年で色々昔のテープを流していたようだけど聞いていた人は どれくらいいるのだろう.ジャンベルジャンがちょっと紹介されてた.あれは毎週 聞いてたものだ.あれを超える番組はまだラジオ界には出ていないのではないか.

二週間の戦いが終わった.結局高階のところは力不足でできず,一階直観論理の 層意味論についての完全性定理の証明のあらすじ(こう書くとやけに偉そうで 僕が論理の専門家みたいですが,単なる下手の横好きです…)を目標にしてやった. 話し手としてはいままでの三回の中で一番充実したセミナーだったと思う. これには池上君の登場という要因も大きかったが,general nonsense に留まらない (少なくともそのように想像させる)箇所がセミナー中に多々あったことも大きい と思う.直観論理の定式化がなぜあれでよいかなどは,本当は何年も考える必要が あることなのかもしれない.また,最後につくった構造が何を意図したものかを 考えるのも時間に余裕があれば楽しいことではないかと思う.

圏,特にトポスのことが一切応用されずに終わってしまったのは残念だ. 日を改めて,例えば夏休み中に出来たらいいと思う.もっと後になるかもしれないが. ちなみに竹内先生の本には圏の集合論的な合理化について一切ふれられていない. これは竹内先生ほどの人になれば,いや,そうなるずっと前に,圏論を集合論的 に合理化することなど,どうにでも出来てしまうことだからだろう.僕も池上君の助けを 借りて「置換対」などと言ってできた位だし,圏論をやる上で集合論的な心配をする必要は 実際にほとんどないのかもしれない.また,僕のやった合理化の方法とは別の話で, reflection principle を使うと具体的な圏については問題ないと池上君は言っていたが, どういうことなのだろう.時間があれば勉強したい.

このセミナーを通じて,圏,層の使われる数学への視野を開いたことは大きな収穫 であったように思う.相変わらず僕は代数幾何などには堅固な壁を感じてしまうが, 例えば位相空間論のある部分が圏論的に展開されるといった話には興味がある (実際そういう本を筑波の書籍部でみつけて,買いたいと思ったが,高くて買え なかった).また,強制法と層・Grothendieck 位相の話なども ちらほらと耳にする.ここもちゃんと理解しようとすれば代数幾何と変わらないくらい大変な 気がする.一方を理解すれば他方は比較的容易に理解できるという関係かもしれない.

とりあえずトポロジーの勉強に徐々に戻らなくてはならない.岩波基礎数学の 「位相幾何学」「微分位相幾何学」を出来るだけおさえておきたい. これを論理的に解決すれば, 幾何の一見うさんくさい定理(これを U としよう)の多くも「はー,ZFC|― U やし」 てなもんだろう.Zeeman の unknotting theorem とか, シェーンフリースの定理,結び目の Reidemeister の定理とかが 隅々まで理解できたら楽しいこと この上ないに違いない.これらは上二冊の知識だけでも不十分かもしれないが.

筑波の方のセミナーは,夏休み中も基本的に継続してやるつもりだ. 組合せトポロジーの怪しい議論の大半が,ここで合理的に解決されると信じている. これは無限次元の多面体による近似にも必要らしいし,PL同相群の研究にも必要だ. だからこれはやっておかなければならない.

という訳で,明日はビアパーティーです.どんな偉人の西瓜割りが見られるでしょうか. 「はー」は是非とも出てもらいたいものです.夏休みもやることがいっぱいで あっという間に過ぎていきそうだ.


7月14日

Sets^{C^op} がトポスになるところまでは何とかできたのでアップロードします.


7月13日

今日の昼間はずーっと圏論の某問題を考えて,図書館のいろんな資料 を引っ掻き回してなんとか解決したのち,本郷に行って木村さんと藤本くんに 会って直観論理における完全性定理の証明を考えました.これも どうやら解決したようです.なんか藤本君はしゅりょう降臨の話を知らなかった っぽいです. このメンバーではいつもAべさん,Sさんなどの話をしているようです. K会のメンバーでいつもKんどう君,Iまい君などの話をしているのと 似ていますね.明後日はこの二つの和集合がとられる訳ですか.


7月12日

某板で書きましたが,Sさんからメールが来ました. 文面からも凄さが伝わってくる気がします.

「トポスの例」でかなり詰まる.はっきり言って一週間でトポスを書き上げるのは, 無理だ.


7月11日

今日の成果をアップロードしておきます.トポスに partial map classifier が 存在することの証明までです.

しゅりょうキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!


7月10日

トポスの第0小節「トポスを定義する前に」が完成したので再アップロードします. 今日は波照間島産の砂糖きびからできた沖縄本島産の黒糖を食べまくりました. あと,シャワーを浴びるときに 鏡を見て大胸筋がずいぶん減った気がしてがっかりしました. でも,そんなに要らないしいいやという気もしました. 高校くらいまでは頑張って腕立て伏せなどやっていたものですが.

NHKの「最長片道切符の旅」はだいぶ前に終わったようですが, 僕の思うことといえば,最長であることの証明を人間に分かる形 に書くにはどうすればいいかということです. 四色問題も人間に分かる証明はまだ無いんでしたっけ. 僕はやりたくありませんが.


7月9日

筑駒にノートとりに行った.一番欲しいのは時間だけど,とりあえず報酬はうれしい. AC.むずかしかった.


7月8日

7時位に起きて,TeX.層のところのプリントは大方完成した(まだ書き足りない こともなくはないが)ので,フロッピーに入れてK会へ(印刷されたもの を持っていくと,印刷に時間がかかるので時間を損するのです).

今週のなんでもの発表は,相変わらず事実の列挙をするしかなかった. そのため既習者は自分の知識を確認できるが,未習者には何も分からない ゼミになってしまった気がする.発表内容はアップロードしておきます.


7月7日

夜中の院生室では,のざわ掲示板で池上君と会話したりした. 宇宙の問題は,宇宙を二階層に分ければ解決することが分かった. 完全に僕のオリジナルなのかは分からないが,こうすると上手くいく ことは確かだ.
二木君が来た.二木君は朝の5時に帰っていった. 僕もその後ソファで寝た.坪井研のセミナーに出た後, 病院に行って,TeX した.ブルバキした.可算基をもつフィルターは 初等フィルター(点列から生成されるフィルター)の共通部分 に書けることが示された.


7月6日

多変数は毎回ついていけるかどうかの微妙なところです.一週間経つと (授業が終わると?)みんな忘れてしまうもので.

TAは最終回.行列の指数関数をやった.試験が近いこともあって,終わった後に 質問に来る人が今までで一番多かった.対角化で行列の指数関数を計算する方法 を説明したりした.

藤本君どうしましたか?
一度お風呂に入りに家に帰ってから,夜にまた大学に行った. 朝の5時くらいまで,院生室で TeX を打つ.


7月5日

今日は筑波のセミナーを休みにさせてもらった.これも何でものため. のざわは紅茶をよく飲むそうだが,僕は冷水茶をよく飲む. 冷たいお茶.これがなくなったらコーラを買いに行く. 母親が何を発表をするんだと聞いてきたが, 本人がよく理解できていないので全く答えようがない. しかし,たとえ私がちゃんと理解しているような もっと簡単な内容だったとしても母親に説明 するのは死ぬほど難しいことには違いない.

こういう学問的な内容を説明することと, 経済的援助を続けている親への説明責任を果たすことというのはやっぱり違う ことなのだろうか.確かに僕は勉強中心に日々を送っているが

 「司法試験に受かって弁護士になりたいので, 法律の勉強をしています」
 「企業コンサルタントになりたいので 公認会計士の勉強をしています」(正しい?)

といった世間一般の「勉強」のパターンには どう考えてもあてはまらない気がする.僕のしている勉強は, そういう明確な目的がどう考えてもない.

 「数学者になりたいので数学の勉強をしています」

て違うし.
要は単に,大学といういかにも 正当性のありそうな機関を利用して道楽を正当化しているだけという気も しなくはない.

もっとも,道楽というにはあまりにも深化が進んでいるという説もあったり.

ごくまれに,役に立つという噂もあったり.

しかし僕がその恩恵に浴すことはないという噂もあったり.

でも数学をできるという時点で僕が既に恩恵に浴しているからいいかもと思ったり.

なんだかさっぱり分かりません.

とりあえず今までにできた発表の資料を「ゼミの資料など」にアップロードしようと思う. 今週の発表までにトポスに入れるかなあ.


7月4日

「層・圏・トポス」の方を始めるが,今度は層に心中する予感がしてきた. せめてトポスを話し終えたいところなのだが.

前層の層化と,層の二つの異なる定義が圏同値の意味で一致することの 証明を書いているだけで一日が終わった.


7月3日

今日は北田先生のTA関係の仕事でつぶれた.採点が昨日からの 続きであったのと,いままでの演習の略解作成.演習は,間違った問題を いくつか出していたことが分かった(その問題は暇があればやってくれという ことにしていたので,大半の人には影響なかったはずだが). 来学期にTAをやるときには注意したい.演習の最終回は 行列の指数関数をやることにした.なんで指数法則が成り立つのか 完全に示せる自信はありませんが.はい.


7月2日

ACゼミはお休みになった.が,そのお知らせのメールを 見ることができずに大学に行ってしまった.かなり寝てた気がする.


7月1日

こもったけど圏のところしかプリントができなかった. 7時くらいになって,ついに完全に思考能力がなくなってきてしまったので, 2時間くらい寝たのだが,その時の夢が面妖なものだった. その夢にはM本Y先生が出てきたのだが,僕が「去年のセミナーでは 『埋め込みとはめ込み』を読みました」と言ったら,先生が 「君,その本はもう古いよ」とおっしゃった.起きて,本当のM先生は そんなこと言うはずないと思った.

圏論のプリントは一応出来たには出来たが,細かい証明を逐一書いている 暇がなかったため,証明略のところもかなり多い.また始対象を空な圏から の関手の余極限と定義するなど,明らかに初めての人に向いていない 説明をしている場所もある.時間の節約が目的とはいえ,初心者の 人を置いていってしまって,今井くん,さのくん,近藤くんには 申し訳なかったと思う.若干弁解しておくと,発表はしなかったけど, こういった定義からは分かりにくい概念はプリントでも集合の圏の例で 説明してあります.後付けの形ですが.

発表は圏のところしか出来なかった.本来は層・トポスの導入も するはずだったのだが,一日にできる量はそもそも限界があるという ことを理解していなかった.定理を書くだけで証明をしない方式 でもそれなりに時間を食ってしまう.

数日のうちに,プリントは「ゼミの資料など」のところにアップします. 次回から聞かれる方はこれを読んだ上で来て頂けると幸いです. 次回は,直観論理の導入からのはずでしたが,予定変更して 層とトポスを中心にやります.遠方からお越しの方など,ご注意ください.

コーヒーフラペチーノとエスプレッソフラペチーノ.どっちが うまいかは結構その日の気分による気がする.今日はエスプレッソ の方を飲んだ.