簡易日記(2003年4月〜6月)

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6月30日

ノザワがなんとなく元気そうだったので,「どうだい調子は?」と聞いてみたら,やっぱり今日は調子がよいらしい.僕も調子がよかったが午後になって微妙に悪化した.そのせいで午前の埋め込み発表はすらすらと行ったが,午後の次元の発表はいまいちだった気がする.見返してみると微妙に証明の要領が悪い点もみつかって,恥ずかしい.しかし,位相空間として \mathbb{R}\setminus\mathbb{Q} がここまで偉大とは,私も準備するまで知らなかった.それを知りたい人は次元論を勉強してみるとよいでしょう.

埋め込み築地食べという,ちょっと冗談っぽい企画が本当に実行されそうな気配.


6月29日

久し振りに gene-topo の勉強をした.僕がトポロジーという言葉を使った場合はいわゆる位相幾何学の場合も general topology の場合もある.明日はダブル発表だ.最近,少し調子がよくなってきているみたいだ.


6月28日

今日は眠くて何もできなかった.ごろごろりー.


6月27日

「悪」がらみの話題で,集合族\mathcal{S}の元すべての和集合を表示するときに  (1) ∪\mathcal{S}  (2)∪_{A\in \mathcal{S}} A のどちらを使用するかという話があったが,私は(1)の方が簡潔で本質に迫っていると思う.(2)は,一言で書けることをわざわざ面倒な書き方をしているように思われる.せっかく(1)と(2)の記法が両方存在するのだから,その状況に応じてもっとも簡潔な表記法を心がけるのがよいのではないかと私は思っている.普通は(2)のことが多いようだが.

ノザワは飲み会が多くて大変なんだそうだ.酒をほどほどにしか飲んだことのない自分には理解できない感覚だ.自分の意思に反して飲み食いさせられた経験がほとんどないからな.わんこそばがそうだったか? でもあれは御椀にふたをすれば終わる.さすがにあの時は蕎麦などもう食べたくないと思ったが.


6月26日

ノザワナピラフのトムの横断性定理な日.なんだかよく分からなかった.幾何の証明というのは本当に証明になっているのか考えるのに骨が折れる.結局のところ正しいのではあろうが.こういう面を見ると「悪の数学」をやりたくなってしまう.


6月25日

ついに失敗してしまった.数学講究XBの時間を間違えて,前半のコマだけにあるのを後半だけと勘違いして,学部生スペースがもぬけの殻.途中から出席しても意味がないと思ったので,そのまま耳鼻科に行ってしまった.加藤先生ごめんなさい.

光ファイバーにまだ初期不良があるようで,少し更新が滞ってしまった.失礼.

1000ヒットした人はもしよければ教えてください.特に景品などを用意してはいませんが,おめでとうメールを書かせていただきます.


6月24日

多様体論ゼミは「うーん」という感じだった.河澄先生の時間は学部生スペースでお休み.松島与三のリファレンスを借りた.今日の力学系のお話はなかなか楽しめた.レポートが書けそうな気がする.夜は久し振りの MA ゼミこと集合論ゼミ.


6月23日

次元と圏の日.ノザワに明日多様体論ゼミの発表をすることになっていると指摘され吃驚.圏から帰ってきたのが午前零時.ぼちぼち予習を始める.


6月22日

今日は調布の無印良品で「いらっしゃいませ.こちらはサンプルです.どうぞ」と言って何かを渡してくる店員がいたので,何だろうと思ったら「黒糖かりんとう」だった.ラッキー.森田先生のノートを見返してみた.自分はノートに自己完結性を求めすぎなのかもしれない.こうして少しずつ \omega が微分形式に見える人間になっていけるのだろうか.


6月21日

今日は暑かったので,冷たいパスタを作った.トマトと,モツァレラチーズ.モツァレラってのは水の中に入ってるのか.ゴムまりのようで感触がなんとも言えませぬ.ともかくレパートリーが一つ増えた.


6月20日

今日は前に会った音楽専攻の友達(ちなみに芸大)と母校の音楽祭を聴きに行った.大体各クラスの合唱が中心で,若干の特別演奏でピアノとか管楽器の演奏などがあったりする.バイオリン・チェロ・ピアノで立派な演奏をする団体の名前が「タマちゃんを守る会」などというのには母校のセンスを感じる.よく弾ける人が揃ったものだと思うが.もう音楽祭は生徒として6回,卒業生として3回も行っている.といっても回数ばかり行っているだけで合唱については評論とかそういうことはできる自信はない.極端にひどいのは分かるけど,どれが一番優れているかと聞かれると,自分の合唱観みたいなのがないから,何ともいいようがない気がする.全体的にみて中学生と高校生とで実力に格段の差がある.年中合唱の練習をしている訳でもないのに不思議なものだ.中学生の選曲が悪すぎると芸大の友達は言っていたが,別にうちの学校は6年あるわけだし,最初から正解を提示しなくてもいいんじゃないかなと僕は思う.未完成な時期というのもやっぱりそれなりに通る必然性があるような気がするのだ.

音楽をやる人は,数学をやる人に比べれば随分まともであるらしい.


6月19日

学部生スペースの白板がカオス化している.

埋め込みとはめ込み+あべ+井川で飲み.ノザワ君が「そんなの数学科らしくないよ」を連発してた気がする.でもちょっとお疲れだったみたい.


6月18日

近頃気になる初夏の風物.枇杷,立葵,夾竹桃.見る間に自分の背丈を追い越して生長していく立葵を道端に見ることができるのは,まだまだ家の周りが田舎だからかもしれない.夾竹桃は,工場団地のようなところにあった殺風景なバイト先の帰り道に咲いていた花だ.旅行の資金かせぎだった.夏の倉庫の中で段ボールを沢山運ばされたのもいい思い出だ.

中途半端に伸びてきたので髪を切った.


6月17日

!!!祝!!! 我が家に光ファイバー通ず!

ファイバー.ろくに何も知らずに数学科にやってきた僕は,1点の逆像を「ファイバー」と呼ぶことを知ったとき,すごく大げさで変な名前だと思った.それで,数日間「ファイバー」で思い出し笑いをしていた(恥ずかしいですね).でも今となっては何が面白かったのかも良く分からないのが悲しいところだ.

何かと噂の小木曽先生の講演を聴いた.なんとなく感じがつかめる話でよかった.レポートのネタ,何かないですかねえ.

学部生スペースの雰囲気がまったりしてきて,いいことだ.これが学部生スペースの本来の使い方だと,思う.なんか卒業旅行の話なんてのもあったようで.船で行くのはお酒を飲みたいからというのが下心ありありで面白かった.でも,旅行の目的地にも着かないうちにお酒を飲みまくるのはいいの? と少し思った.僕のイメージする旅人の世界ってのは,みんな早寝早起き,酒はほどほどって感じなので.(ここでいう旅人というのは,いわば旅好きを自任するような人たちのことで,世間の感覚とは,また違うかもしれない.北海道に行くと見ることのできるタイプの人.)

今日はベクトル場の絵を描く遊び(?)をした.


6月16日

今週はほとんど何もない週のはず(そうか? という突っ込みはなし).だから何もせずに過ごすのだ. Martin's axiom の話も悪いけどとりあえず欠席ということで.でもいつか D-generic filter を自在に使いこなして人をびっくりさせたいものだ.

ノザワは何かのコンテストで世界一になったとかいうパズルを5分位で解いていた.図形をうまく切って並べ替えて円にするというパズルも20秒位だったし.すげえ.

ふと思い立ち,うちにある千字文の手本を見て臨書.先日買った筆ペンでコピー用紙に書くという,邪道.しかし曲がりなりにも手本の気持ちは分かってくるものだ.300字くらい書くと少し字形が整ってきたように思う.数学科生活がハードになった三年くらいから丁寧に書くことを蔑ろにするところがないでもなかったので,味わって書くことの大切さを見直すいい機会になった.


6月15日

立川をうろうろ.
つちおかページの移動先を発見した.日記が更新されていると思ったら….


6月14日

数学の本は伏せた.


6月13日

正直かなり苦しいのだ.独りでただ苦しがっているだけだと言われればそうだ.自由な時間を与えられているということは,実はときに非常な痛みを伴うのかもしれない.あまり楽しいことを書いている余裕はない.とりあえず寝る.


6月12日

埋め込みとはめ込みの発表.今回はかなり駄目な発表になってしまった. 計算のところは昨日結構考えはしたのだけれど,黙って見ていてくださいとしかいいようがないので辛いところ.しかも自分の計算を自分でも把握していないという最悪の事態まで発生してしまった.こうした証明を通過せずとも正しいことは正しいと直ちに感じられるようになるだろうか.でも,なったらなったで何か寂しいものがある気がする.ちゃんと証明できる力は保持しつつそうなりたいものだ.

もう眠くて仕様がない.眠り病だ.その眠気が授業中はおろか発表中にも襲ってくるのだから,困ったものだ.そういえば,ノザワは近頃魚一に行っていなくて,もう二週間も行っていないのだそうだ.訳わからん.あ,それと昨日彼が寮から走ってきたというのは間違いで,駅からだったらしい.

芸大で音楽を専攻している高校の友人と久し振りに会った.意外と話が会った.音楽と数学はやはり深いところで相通じているのだろうか.4次元の中の2次元の結び目なる物が研究されていると言うと興味深そうに聞いてくれたのがうれしかった.

先日の太宰の一節ですが,タイトルが間違っていました.正しくは「正義と微笑」です.


6月11日

本郷の正門であべ・高橋・ノザワと待ち合わせてアルバムの写真を撮ってもらいに行った.ノザワは寮から走ってきたらしい.午前中で授業中だったので会場には誰もいなくて,全然待たなかった.よく撮れてるといいな.

東大生なのに本郷のことをなんにも知らないので,普段から本郷に行きつけている高橋の案内で,メトロなる場所の食堂に連れてってもらう.なんと座敷があったので,座敷にあがってカレーを美味しい美味しいと言い合いながらいただく.細田さん,残念でした.個人的には,周辺の「地下街」が60年代の匂いを感じて興味深かった.


6月10日

宮岡先生の講演,よくは分からなかったけどずっと楽しそうにお話しになっているのが印象的だった.自分が発見した定理を黒板に書くというのはどんな気持ちなのだろうか.


6月9日

ちかごろ気分が谷底に落ち込んでる.一昨日の旅行が決定的にまずかった.そういう訳でしばらくの間省エネ運転でご了承願いたい.

「次元」導入すべき方向がさっぱり分かっていないくせに導入的話をノザワ君の前でしてしまった.斎藤君が帰ってくるまでの場つなぎなのでこういう感じになるしかなかった訳だが.
「圏」は結構面白いと思ってくれたらしい.しかし,河村さんの言っていたように colimit もここまで抽象化されると意味が分からない.美しいといえば美しいのかもしれないが.


6月8日

さて,書物なるものでも手に取ることにするか.
太宰治「パンドラの匣」

「人間は,十六歳と二十歳までの間にその人格がつくられると,ルソオだか誰だか言っていたそうだが」

最初から,深刻な後悔に陥れてくれる言葉である. 十六歳から二十歳までにしたことで,特筆できることなど何かあっただろうか.
今読むべき本じゃないって? うるさいな.


6月7日

房総に旅行に行ってきました.しかし事態をより正確に申し上げるならば,列車によって房総半島の外周を移動している間に睡眠していたのでありまして,従って皆様から感想などを求められても困るのであります.房州びわは,房州に行って買うよりも家の近くの果物屋で買った方がよろしいかと存じます.

はぁ眠い.


6月6日

夜のことだが最初に書いとくと,今日の塾バイトは今までで一番楽しくできた気がする.下手に準備をちゃんとして行くとよくないことが分かった.

志賀多様体論初ゼミ.今日のゼミの概略.

山下「ここの連続性は云々」
ノザワ「え゛ー,だってさー,そんな感じじゃん」
山下「うーん…ああ,こうすればいい」
ノザワ「ふ〜んなるほどねぇ」

先週までは連続性が下手すると4通りくらいありそうなゼミだったのでカルチャーショックがでかいです.まあそれはよい.

今日は井川君が出題した問題をノザワ・シノハラが見事に解いてみせた.ノザワはめちゃくちゃ嬉しそうだった.焼肉屋で寮の飲みがあるらしく「頑張って後輩を吐かせるぞー」と張り切って帰っていった.ガンバッテクダサイ.


6月5日

昨日のおばさんにまた会った.どうやら駒場図書館の人だったらしい.道理で数理の梅を知ってるわけだ.

昨日は何か眠いので10時前に床についたところが,なかなか眠れず,仕方がないので日本酒を2合くらい冷蔵庫から失敬して飲んで,やっぱり眠れなかったのでパソコンにしばらく向かっていたりしていた.それで2時半くらいにようやく眠りについたらしいのだが,なんか目覚めも悪いしなんか視線の定まらぬ感じ.いわゆる二日酔いか.ともかく僕はこのことから二つの教訓を得た.「やたら早く寝るのは意味がない」「酒を睡眠薬に使うのは百害あって一利なし」.


6月4日

松本幸夫先生のお話は面白かった.こういうときに必要なのは S_3 黒板ではなく3次元球面がちゃんと描ける S^3 黒板である.だれか発明してくれないだろうか.

よく見ると道端に梅の実が石ころのようにたくさん転がっていたので,親がカリカリ梅を作っていることを思い出して,青いのから黄色いのまで拾い集めていたら,通りすがりのおばさんに声を掛けられた.するとおばさんは,「傷がついているしちょっと重いけど」と言って,どっさりと梅の実が入った袋を置いていって駅の方に行ってしまった.後を追いかけて,何がなんだか分からないまま御礼を申し上げる.僕が拾ったのはせいぜい15個くらいなのに,100個くらい手に入ってしまった.ラッキー.家に帰って見てみたら,傷もほとんど付いていない綺麗な梅だった.ありがとうございます.


6月3日

立方体をある方法で貼り合わせて3次元多様体にしたものが C^\infty になるかを確かめようとして,野沢君が「えー.明らかじゃん」と言っていた.幾何的な直観は非常に尊重すべきものだとは思うけれど,僕としては,「明らか」というのは「証明ができる準備がある」という意味ではないかと思う.うーん感覚のずれ?

河澄先生のお話で,大講義室の黒板は Z/3Z であることに気が付いたのだが,今日は,学部生スペースの巻き取り式白板は S^1 であると思った.家に帰ってふと考えて見ると,上下する黒板が2組用意されている状態は (Z/2Z)\oplus (Z/2Z) に対応するようにも思えてきた.ところでそう考えて見ると大講義室の黒板の改良案として,S_3 黒板に改造する手もある.そのためには,中段の黒板と下段の黒板との位置を交換するボタンを追加すればいいが,黒板の順序が乱れるので,やっぱり逆回転ボタンを追加する案に軍配が上がる.残念.という訳で黒板群の話はおしまい.


6月2日

今日のゼミでの坪井先生のお話は,幾何的な感覚を刺激してくれる話で面白かった.夜の圏ゼミは,米田の写像についてあーだこうだと言っているうちに随分遅くなってしまった.はやく数学での実例を知りたい.


6月1日

今日は珍しくまともに勉強のできる一日だった.これも早起き効果か.森田先生のノートを見てみたら,概観だけ見ればそんなに難しい話ではないことが分かった.あとは計算力がついてくるかだ.

昼間はずっと暗かったのに,夕方5時半くらいになって急に陽がさして明るくなったので,変な感じ.


5月31日

やっぱり早起きは気分のいいものだ.今日は五月祭.本郷まで合気道の演武を見に行った.会場は板張りの床をバネか何かで支えているらしく,投げた時の震動がみんな伝わってきていた.溌刺としたという言葉を久し振りに思い出して,こっちも思わず背筋を正してしまった.いい気分で1時間半ばかりの間見させてもらった.そしてノザワ君おつかれ.

その後行ったのは農学部の日本酒試飲コーナー.医学部の骨密度測定は終わってたので.1つ1つは少量でも8杯も飲めばさすがに少し酔ってしまって最後の方はあまり味が分からなかったかもしれない.まあなかなか楽しいもんだ.米米酒という不思議なものも飲めたし.これだけのお酒をただでふるまってくれる場所もそうそうないのでは.

福山雅治のラジオを聞いて,妙にすがすがしい気分になってしまった.この人ってミュージシャンというよりDJです.僕としては.


5月30日

去年の10月から続いてきたアナリナはひとまず今回をもって撤退.Von Neumann 環を Banach 空間 の双対空間として表現し,von Neumann 環の自然な位相の一つである σ-弱位相を w^*-位相として実現するという最後の定理はなかなか偉大そうだった.でも全然わかってないです….来週からは多様体論とDimension Theory をやることにします.

最近ぬるま湯につかってる感じでよくない.とりあえず生活を早寝早起きにして,気分を引き締めたいと思う.特段の事情がない限り12時に寝て7時半に起きることを目標にしよう.


5月29日

朝のラジオが「今日5月29日は蒟蒻の日です」と言っているのを聞いて,今日がノザワバースデーであることに気がついた.おめでと.


5月28日

野沢君が「服を買いに行った」と言ったのを「福岡に行った」と聞き間違えて,とんちんかんな会話をしてしまった.福岡に赤坂はあったはずだけど原宿はあったかなあとか馬鹿なことを考えてました.ええ,ええ.


5月27日

何も分からない前提でリーマン面の研究集会へ.河澄先生のお話は,授業のときと似た調子だった.前振りに黒板に書いた魚の絵が面白かった.大講義室の3段黒板はボタン(1\in Z/3Z)を押すと電動でスライドして順繰りに昇ったり降りたりするのだが,一方向にしかスライドしないため,前に書いたもの手元に持ってきて修正する(-1=2\in Z/3Z)には2回ボタンを押す必要があって,大変そうだった.-1\in Z/3Z に相当する逆回転ボタンをつければいいのに.

マルチンの公理は意味が分からないが,どうやら連続体仮説のように,無限についてのある仮説を述べたものであるらしい.納得できるといった代物ではないが連続体仮説よりはましな気がする.コンパクト化についての話の続きは26時半からやった.証明が全然頭に入っていなかったので急いで予習した.


5月26日

アナリナの途中に地震があった.大学で地震を感じたのは,記憶している限りでは初めて.結構大きくて長く続く揺れだったが,東北では震度6弱を観測しており,ただごとではない模様である.


5月25日

最近,また昼間に眠くなる病気(?)が悪化してきた.この病気に副次的に起こる症状として,危機感がわかなくなるというものがある.という訳でゼミの前日の踏ん張りが利かなくて困るのだ.


5月24日

埋め込みはめ込み.分類空間,帰納極限,圏喧々.

今度の「圏」の発表は,去年初めてゼミの発表というものをしたときにやった部分で,思い出の多いところだ.去年のノートを見返してみて,今の自分は全然真剣さが足りないと思って,へこむ.あの時は,メモはあまり見ないで出来たはずだ.今度も出来る…はずだけど.(なお,例が増えるなどしたため,内容は去年と同じではありません.)


5月23日

色々と謎の発言の多い野沢君だが,今日は加群はとがっているという発言をしていた.そして土岡の介抱をして彼の家まで.お疲れさん.


5月22日

今日は何となく髪を切った.Small inductive dimension の定義が言えるようになった.R^n と R^m (n≠m)とが同相でないことは,やっぱり General Topology の枠内で解決されるべきだと思う.もっともホモロジー群を使う程度は広義の General Topology と言えないこともないかも.


5月21日

大島先生御久し振りです.


5月20日

もうすっかり夏学期も軌道に乗った.サーストンとコンパクト化の話の準備で2時間しか寝てない.

サーストン…何というか定義が中心のまともなゼミをしました.

河澄先生…群コホモロジーの話を軽い気持ちで聞けたのでよかった.また,はじめて代数的でない話(トポロジーの話)が出てきたので幾何学らしくなったように思う.

河野先生のお話はよく準備されていて面白かった.板書の\omega_1, \omega_2 が一瞬だけ順序数に見えた後に微分形式に見えた.それを色々な人に言ったら,まずいねえと言われた.やっぱりまずいかなあ.

泊まりのコンパクト化の話は,ストーン・チェックコンパクト化に親しむという目標がだいたい達成できたのではないかと思う.帰りの電車の中で,例の \omega_1 の位相についての話をあべ君としていたので,周りからは何者かと思われたことであろう.


5月19日

今日のゼミ「(1)埋め込みとはめ込み」「(2)アナリナ」「(3)圏」

さて,私が一番理解していないのは? (1)です.やべえ.

今日は,生協で去年の春に合宿で免許を取りに行った岡山県の教習所の先生に会った.どうやら営業活動らしい.思いがけないめぐり合いもあるも のですね.ちゃんと名前を覚えてくれていてうれしかった.車に全然乗っていなくて,申し訳ない.


5月18日

位相空間論プロパーな話題で勘弁していただくことに.恐ろしげなことに,「極大フィルターを元とする集合」を元とする集合が現れた.池上君にとっては当たり前なのだろうか.


5月17日

柿の花というものを初めてちゃんと見た.全然目立たないが俳句の季題にもなるものらしい.まったく自己主張しないがよく見ると確かに花が,ある.


5月16日

100踏んだ人は誰かな?

昨日から気分的に調子がいま一つだ.別にそうなった深い理由はないけど,こういう時はすべてがうまく行かないように感じるものだ.こんな時に効く薬は,とりあえず睡眠かな.野沢日記は昨日の発表を聞いてよかったと言っている.大域的な理解なんていい言葉を聞いちゃった感じだね.そういえば,飯田橋の遺失物センター(だっけ?)には6年くらい前に財布を取りに行ったことがある.何か短パンのポケットが浅かったとかで,電車の中で財布を落としてしまったんだと思う.とりあえず落し物をした時は届け出をしておくものだ.意外とみつかる.

今週はほとんど家で夕飯を食べない忙しい一週間だった.さて,これからゼネトポとサーストンの仕込みにかかるか.

今,自分で100番を踏みました.合掌.


5月15日

野沢君・中岡君と,なんでもゼミ by 松尾に行った.発表の感じは大体想像していたような感じだった(どんな感じとは言わない).フォローできなければいけないのかなあ.内容と関係ないコメントを一つするならば,もう少し和やかな雰囲気ができないものかと.まあ久し振りにデニーズに行けたので,よかった.


5月14日

電車で朝帰りするのが毎週のことになってしまった.電車で気が付いたら寝ていて,目が覚めたら景色が見慣れなかったので,何処かと思ったら聖蹟桜ヶ丘に着いた.そういえば聖蹟には最近ぜんぜん行ってないけど,こんな理由で来てもうれしくないなあ.

白石先生…初めて授業を拝見しましたが「レポート」を最初「レポーと」と書いていたのは気のせいではないですよね….

数学科の「さいとー君と\omega_\omega のコファイナルの話をした30分後にカラオケに行く飲み会」.駅からちょっと離れたスタバの場所はなんとなく記憶していたのが合っていた.キャラメルと生クリームたっぷりの「何か」を飲む. カラオケ.人のいる場所で歌うという様なことは何年もしていなかったので,さすがに能力が退化していたようだ.もともと自慢できるような歌唱力があった訳ではないが,それでも中高の時は毎年合唱があったから,それなりに歌うという機会があったものだ.まあ大体は知っている曲だったので聞いてて楽しめた.野沢君歌うまいじゃん.僕の学校だったら絶対祭のステージに上ってたね.


5月13日

サーストン.正六角形の辺を2通りの異なる貼り合わせ方(aabbcc と aabcb^{-1}c^{-1} と)をしたものが互いに同相になることの証明(?)ができたのでよかった.でもちょっとまずい点も見つかってしまった.やっぱり夜中の頭の回転の悪いときに準備するとボロがでる.

夜は Set Theory for the Working Mathematicians のゼミ.「帰納法では短すぎる」時に使う呪文を教わるために池上君の講義を受ける.証明そのものは追えるが,どういうアイデアなのかさっぱり理解できない.復習しないと駄目だなあ.Rosiowa-Sikarski lemma とか D-generic filter という言葉が出てきた.

サイゼリヤした後,またもや池上君の好きなものゼミ.もう1時半なのに,そのことを異様とも何とも感じない自分が恐ろしいね.Closed Unbounded Filter なる題名.コファイナルが前提知識になっていた.しかし,更にその前に,自然数 n について n={0,1,…,n-1} が大前提知識であることを忘れてはなりますまい.最初自分の頭はよく回転していたので,明らかを連発して感じ悪い聴衆になってしまった.済みません.しかし4時くらいになったらまた普通に回転が悪くなってきてしまった.関数の「定常尾」の証明への応用まで聞いていたら,6時だった.


5月12日

という訳で,カウンタをつけてみた.日記にブックマークをつけている人は,トップページに変更することを強くお勧めします.それはともかく,今日は久し振りに「埋め込みとはめ込み」「アナリナ」「圏」の三拍子そろった忙しい日だった.「埋め込みとはめ込み」はゼミ自体より後の食事タイムが楽しみになってしまっている.やべえ.コモンルームにいると色々な人が来て面白いんだけど.今日は織田先生と松尾先生に会った.松尾先生にはずいぶん長らく会っていなかった気がする.


5月11日

AMラジオをなんとなくつけていると聞こえてくる音楽が,新鮮なものに思える日.たまにはヒットチャートを聞くのもいいか.そういえば昔はある番組のヒットチャートを毎週紙に記録していたことがあった.その番組は年末になると「年間順位」を発表するのだが,それを番組が発表する直前に自分でことごとく計算したりしていた.アホだ….

そんな過去のことはどうでもよいのだがアナリナはよく分からないので,河澄先生の復習に逃亡してしまった.


5月10日

アナリナがむずい.


5月9日

今日はカウンタを空転させてないはず.

塾のバイトをした.逆行列.問題集にあったので (P^{-1}AP)^2=P^{-1}A^2 P をする.


5月8日

数理棟の前に咲いている花は何なのか色々調べてみたら,どうやらミズキというものであるらしいことが分かった.ハナミズキとも全然違う.

近頃昼間に眠くて,なんか良くない.10分くらい昼寝をすると30分くらいはいいのだが,また眠くなってしまう.睡眠時間はちゃんととっているはずなのだが. それと食欲がない.ついに,今日の昼御飯は液体になってしまった.「調整豆乳」と「豆乳飲料」.そういえば細田さんの飲んでいた無糖の紅茶というのは最近微妙に流行のようでして.ブラックコーヒーより万人受けする気がする.

朝のゼミの時に,こう言い換えると条件は対称的だから…と坪井先生がおっしゃっていたことが,さっき計算してようやく理解できた.あれを見ただけで対称的だと理解する能力は僕にはまだなかったようだ. どうも精神的に不調なせいでネットに向かう時間が長い.野沢ページのカウンタを空転させている首謀者(?)の一人は私です.すまん.

河澄先生は数学で面白い話をしてくれる.「料理は非可換の極み.操作のたびに交換子群が増えていって自由群みたいになるから料理は嫌い」らしい.料理は順番が大事なのですね.


5月7日

初夏の陽気の一日.今野先生のお話は,講義っぽくない感じでよかった.
野沢日記の男子校がどうのって話は彼自身は結構気にしていたみたいだけど,僕は自分のことを言ってるとは思わなかった.それを言い訳か何かにするなってことでしょ.まああの学校は男子校うんぬんの前に色々と変わってるから,「男子校だー!」とあえて主張する気にもならない訳だけど.まあ体育の着替えも水泳の着替えもみんなロッカールームでやるというのは知らず知らずのうちに男子校文化っぽいものを経験していたのかもしれない.どうりで若い女の先生がいない訳ですよ….


5月6日

閉曲面の分類.ぐはっ.夜中の眠い時に考えていたことがばればれだ.しかし即席証明でなんとかトラブル回避.1演習問題だけでこんなに時間をとっちゃうんだから,どうしようもない.しかも,Euclid 幾何の公理って知らないよー.常識?

それににしても数学をやることってある意味で思考の停止じゃないかって,思うことが時々あるんですよ.ただ上から降ってくる情報を機械的に処理していくみたいな.そんな感想をいだくのはきっと勉強の態度が受身になってきているからか? 何が面白いのか,分からなくなりかけてはいないか? もしかしたら野沢君の言うように,時には本を読んだり映画を観たりすることが僕には必要なのかもしれない.文学と芸術に親しめという親の言葉を今まで何百回となく無視してきたのだが.

なんか疲れてきたので,今回はめし前に帰宅させてもらいました.Symmetrically discontinuous function は,個人的には strongly Darboux ほど印象的ではなかった.マニアックな話だ….これだけ読んで日本人の何人が理解できるのだろうか.1996年に証明ができたとかいう定理もあるし.というかこの本の著者は一体どんな数学者なのだろうか.

備忘のために今日のゼミの概要を書いておくか.メモ書きってことで.
・各点で symmetrically discontinuous な関数 R->R が存在する. (証明)稠密なハメル基底.
・各点で uniformly antisymmetric な関数 R->ω(=自然数全体)が存在する. (証明)ある種のRの可算分割の存在に帰着.やっぱりハメル.
・各点で uniformly antisymmetric なR上の関数で,有界または有限の像をもつものがあるかは未解決.
・しかし,uniformly antisymmetric な関数の像は少なくとも3点以上からなることはわかる.(証明が変)
・連続体仮説の成立と次は同値:「直和分割 R=A∪B であって次のようなものがある:Rの各点 a において,a±h がともにAに属するか,ともにBに属するかのどちらかが成立するような h が高々可算個しかない.」
・R の可算分割で,ω-sum free なる性質を満たすものがある.
・R の可算分割で,ω-difference free なる性質を満たすものがあるという命題は,連続体仮説と同値である(1996).


5月5日

サーストンの「3次元幾何学とトポロジー(邦題)」でゼミをやることの難しさは,内容をどう把握するかということと,そもそも何を発表するかということにある気がします.ちなみに,読んでいるのは英文の本です.


5月4日

野沢君にならってホモトピー群をやることにする.絵をかけば分かることは絵だけ描いて先に進むことにする.おそらく幾何ではこの類の命題は trivial ということになっているのだろうと判断して.2次元以上のホモトピー群が可換になる理由がよく分かった.次元が高いって便利なことなのねー.


5月3日

母の日のプレゼントの和菓子を買いに自転車で本郷に行った.久しぶりにちゃんとした運動をした気がするけど思ったほどは疲れなかった.大体時間は行きに2時間10分で帰りが2時間25分.自転車の方はまあまあ好タイムだったが,かねてからリクエストのあった和菓子屋が改装中で休んでいたのは何というかついていない.普段大して使いもしない自転車が4時間以上もちゃんと走ってくれたのでまあいいか.


5月2日

野沢君が,「1本だけ線を引いて正しい等式にする」というパズルを3問出してきたので,結構考えた.すると3問のうち難しい2問ができてしまった.188=1を等式にするのに,左下に1を追加して1^188=1にするのは反則でしょ.


5月1日

篠原君の発表は疲れていたので行きませんでした.ごめんなさい.そのかわりバス共通カードで変てこな旅行をした.調布からバスを乗り継ぎ乗り継ぎ.でもバスだけだとすぐ手詰まりになって大して遠くには行けなかった.お金を無駄遣いしたって感じで残念.


4月30日

今日は病院に行くついでに服を買ったりした.朝6時に帰って昼に活動を始めるのもそんなに悪くないが,生活のリズムが乱れないよう気をつけたいところ.


4月29日

最近,他人のゼミの発表を聞いて理解する能力が結構ついてきている気がする.その代償として聞く態度がやや悪化しているのは認めるけど….おそらく今だったら一年生の時のハイペースの授業も全然普通だと思う.これってかなりの特殊技能だと思うけど数学以外には応用利かないのかなあ.

まず集合論ゼミ.あと一週で変な関数特集が終わって,池上君が集合論の多少専門的なことを話してくれるようなので密かに期待している.今日はR の Q 上ベクトル空間としての基底「ハメル基底」についての話で,連続体仮説と,R-{0} がハメル基底の可算個の disjoint union でかけることとが同値であることを証明した.

次に三枝さんのお話.あれだけの話をメモなし準備なしで出来るなんて,やはりすごい.沢山計算した.自分では無理そう.めしの時,池上君が極大イデアルの存在を超限帰納法で証明して,集合論ゼミの成果を喧伝(?)した.その後もあべ君による Haar 測度の存在と一意性の証明があったりして,朝5時まで色々学んだ夜だった.


4月28日

まだちょっと混乱中.変になっているんだか正常に戻ってるんだか,なにがリアリティーなのだか訳わからん.とりあえず収拾がつくまで変なことを言い出したり妙に無口になるかもしれない.

それはさておきストーンチェックのコンパクト化は謎だ.
そして,初めて河村さんの発表を聞く.

NEWS! 野沢君ページにこのサイトへのリンクができました.ども.


4月27日

なんだか昨日の余韻が残っていて一日妙な気分.こんなハレの日の機会をつくってくれる東大数理って本当にいいところだなあ.生活リズムだけはとりあえず復帰したので,忘れないうちに市議会議員と市長の選挙に行く.投票所は出身小学校のなつかしの体育館.ほとんど何も変わってない.

今日は,駒場の正門で待ち合わせして,高校の友達に講演ノート取りの給料を配りに行った.みんなそれぞれの道を進んでるようだ.その後喫茶店で小一時間,近頃の社会とか,勉強がどんな感じかなどについて,しゃべる.ZIZIとイーグル以外にも喫茶店あったのか.


4月26日

結局幾何系の4人のメンバーで乾杯をすることに.不健康の巣窟のような(あくまで誇張)学校の出身者としては,健康優良児っぽい野沢君の話はいろいろな意味で新鮮.ていうか自分おかしいんじゃ? とか思わせてくれる.歴史に「たら」,「れば」はないが自分が以前に違う道を選んでいたら自分はどんなになっていたか等といったことを久しぶりに考える機会になった.まあ色々とどうもありがとう.そしてお疲れさま.
金王坂上には昨日からの雨が降り続いている.そういえば中2から高1くらいまでの一時期,ラジオを熱心に聴いていたことがあった.その頃,オールナイトニッポンは5時の時報とともに自らその痕跡を消し去るかのように朝の霞へ消えていったものだ.きっとみんなが話していたこともラジオから聞こえていたことに違いない.私はなんとなくそういう幻想にとらわれていた.


4月25日

アナリナ→普通

森田先生→「…の中で五指に入る数学者」がキーワード.

春の懇親会を途中でぬけて,クラスが singleton な塾のバイトをした後,夜11時すぎに3次会・4次会目当てに渋谷に駆けつけるという,めちゃくちゃな日.あべ君とか土岡君,松尾君とかいつもの院生の方々が残ってるものと思っていたら,野沢君と細田さんと幾何のTAだったD1の田中さんだけ.河野君もいたけどお疲れの様子で帰っていってしまった.


4月24日

野沢君の発表を聞いて,接空間の定義は曲線の同値類と言ったほうが断然分かりやすいことがわかった.関数の微分がどうのと言われてもなあ.それを理解することも重要ではあるんだろうけど.

「なんでもゼミ」の篠原君の発表のつづきを聞きに行く.なかなか楽しめた.ついでにT君に関するネタを色々聞かせてもらう.数理棟の人々を登場人物にして面白いマンガが書けるということで意見が一致.


4月23日

授業もゼミもなかったのでほぼ何もしなかった.八重桜もどんどん散っていく.


4月22日

Set Theory → トンデモ集合,関数のオンパレードの楽しいゼミ.
めし → サイゼリヤのメニューが変わった.
確率論 → マルチンゲール.
5時過ぎに,京王線新宿からの始発電車に乗って帰宅.


4月21日

今日はフリーク&シノハラ君のコンビに2回会った.するとフリークが 「ストーカーやめて下さい」とのたまう.

フリークの定義では同じ人に1日に2回会えば ストーカーになるのですか?

毎週月曜日は坪井先生のゼミに加えてアナリナと圏論とがあって大変なのだが,今日は教職の健康診断の関係でアナリナがなかったのでちょっと楽だった.圏論は普通に定義をして例をたくさん挙げたつもり.


4月20日

圏論の発表の準備をする.Thurston の本はつかみ所がなくて,どう読めばいいのかちょっと困る.


4月19日

あまり書くことがないので,とりあえず Thurston の本を読んで頭をぐにゃぐにゃさせてみよう.その次に MacLane の本を読んで頭を矢印させよう.

うーん現代数学というのはよく考えてみると実に奇怪なものですな.


4月18日

森田先生の授業は今後楽しみだ.

塾講師のバイトなるものをやってみる.高3の生徒1人と中3の生徒1人という変な組み合わせ.とりあえず中3の方には因数分解の問題集をやってもらって,分からないところを教えたりする.高3の方は「筆算法」を用いて行列のかけ算のやり方を教える.因数分解はどう教えていいのかよく分からないので正直困った.ちょっと疲れた.


4月17日

「埋め込みとはめ込み」ゼミ.本を手に乗せて1回転すると,手がねじれるが,2回転させると元に戻る.曰く,1回転はZ/2Zの生成元にあたる.一体どういうことなのだろう.

シノハラ君のなんでもセミナーに行く.一定理の証明でほとんど終わってしまったような感じでお疲れ様でした.微分幾何素人の私には大変役に立ちます.って聞く態度がなってなかった説もあるけど….


4月16日

昨日からの続きで,あべのりセミナー.それが終わった後,i-land君が アナリナの知識を応用して,数体上のフーリエ解析のような本を読んでいた.で,読むのに詰まるところがあったのだが,それが色々な話題に発展する.

位相群のコンパクト集合上の連続関数が(位相群の一様性について)一様連続であることをいいたかった.その為には,開被覆のLebesgue数もどきが取れることが必要だと主張すると,あべ君により次の定理が証明された.

Theorem: G を Hausdorff 位相群,K を G のコンパクト集合,{U_1,…,U_n} をその有限開被覆とすると,単位元 e のある近傍 U が存在して,任意の K の点 x について,xU がある U_i に含まれるようにできる.

一様連続を示す明快な方法の一つが Lebesgue 数であることを発見したのは,目から鱗が落ちる思いだったが,関数の定義域が位相群のコンパクト集合ではなく閉区間 I の場合は,次のようなアイデアが考えられる.連続性の定義で,正の数εと I の点 x に対して決まる正の数δ_x を x の関数と考える.δ_x をなるべく大きくなるように選ぶ(上限値を選ぶ)と,δ_x が連続関数になるような気がする.そこで,I のコンパクト性を用いてδ_x の最小値δ>0をとれば,それが一様連続性の証明になるように思われる.しかし,そのδ_x は一般には連続でないことが反例によって示された.その反例は「さいとーの関数」「中岡の関数」と呼ばれ,関数δ_x については極秘裏に研究が進められている(?).


4月15日

昼間はほとんど何もせず,夜になってから新宿某所でset theoryセミナー+あべ君の好きなものセミナー.なんだかゼミだらけだぞ.野沢君は火曜トポロジーセミナーに出たそうだ.このようにして定期的に新しいトピックに触れる機会があるという点で,東大の数理は優れた場所ではないかなと思う. 来週は試しに出てみよう.


4月14日

「埋め込みとはめ込み」は意外と何とかなった.というか昨日日記を書いた後に挽回した感じ.いや自己満足かもしれないですけどね….

今日はこれの他に,アナリナと圏論ゼミがあり,数学的には激しい一日だった.これから毎週月曜日はこうなるので,1日に3回発表などという恐ろしいことがそのうち起こる気がする.そうならないように,アナリナと圏論の日程を調整しよう.

圏論ゼミは,情報科学科から河村さん,院生の安部さんが来たほか,あべ君,野口君,哲学科の藤本君も参加して,大賑わいであった.しかし,ロジックについて無知なために最初の方の論争(??)が理解できなかったのは残念だ.しかしロジックの「生きた姿」を垣間見た気がして,なかなか良かった.


4月13日

幾何のゼミは慣れていないので明日はきっと失敗するだろう.というかよく分からない点がある.

頭がぼーっとする病が再発している.


4月12日

高度成長期に家電の性能テストで知られたという雑誌「暮しの手帖」であるが,私はこの雑誌がなかなか好きである.最新号で,ホチキスの性能比較をしている.レポートを沢山書く人は参考にするといいかも.


4月11日

>午後はホモロジー代数。山下によれば数学科全員が知っているべきことらしい。とってみよう。
まだまだそんなこと言える人間じゃないですよー. むしろホモロジー代数のことは何も知らないのに.

なんとなく今日はやる気がわかないのでこれにて失礼.


4月10日

「予断を許さない事情」により,埋め込みとはめ込みゼミの日程が変更になった. コモンルームでゼミのメンバーとしゃべる.

早いとこ今学期の予定を決めて,ゼミも決めてしまいたいところ.


4月9日

>「怖い」(あべのり)
聞く態度が悪かったらしい.

志賀浩二先生の「多様体論」に手を付け始めてみるテスト.志賀浩二先生といえば高校生の時にこの人の本をよく手に取ってみたものでして.


4月8日

「幾何学XG(河澄先生)」
お話として聞くことはできるが授業として聞くことはまだ無理っぽい.

「Set Theory for the Working Mathematician」
その存在が連続体仮説の成立と同値なR^2の部分集合など. あべのりが来るまでの間,めしに行く.

「好きなものセミナー・Dedekindζの関数等式」
22時すぎ開始,4時半頃まで続いた恐怖の(?)あべのりセミナー. Z_pわからん.Q_pもわからん.あべ君はさいと〜君よりも積分すると見た.


4月7日

一応授業開始日.しかし何もせずに学部生スペースにたまる. 寺田先生の授業を受けた人が何人かいたようで.

i-land 君に,Stone 空間なるものが compact Hausdorff になることを教えてもらった.へえ.Spec というのは素イデアルが点.極大フィルターが点になる空間もあってよいのか.

やることが決まっているゼミ
「Analysis Now」「埋め込みとはめ込み(数学特別講究XA)」 「Set Theory for the Working Mathematician」 「好きなものセミナー」

今日やることに決めたゼミ
「Categories for the Working Mathematician」

是非ともやりたいゼミ
「(位相空間の)次元論(Engelking)」 「群論(近藤武)」 「特性類講義(Milnor)」 「複素解析(小平邦彦)」の後の方,特にRiemann面.

当然のことながら全部は無理に決まっています…(もっとも,全部 できるのなら授業がゼロで済み,大変結構なことでもあるのですが.)


4月6日

Charn って,面白い名前だと思ったら,中国浙江省出身の「陳」さんだったんですか.


4月5日

微分トポロジー

流れを説明(多分こっちの方がいい)→細部が不明.何度も定義を引っ繰り返す.定義は書物によって違う.そうこうしているうちに結局,肝心の流れを見失う.

丁寧に説明→よく分かるように見えて,やっぱりよく分からん.

かぁー参った.トポロジーの勉強の仕方を勉強しているみたいだ. Bing の連続体論とか本当に勉強したいんですけどねえ.ただ日本の トポロジー界では多勢に無勢であるようで….東欧や露西亜に飛べば それなりにメジャーではあるようなのですが.


4月4日

今日はごく簡単な数学科のガイダンスがあった後,井の頭公園 に花見会に行った.みんなが逃げていくので,野口君だけ 無理に引っ張って行く.井の頭線で,数学科の吉澤・河野君とも 一緒になったので,結局3人で行くことに.この2人は顔はよく 知っていたのに名前を知らなかった.こういう人って結構いるなあ.

花見はとっても楽しかったです.ありがとうございます.<澤野さん
中島さんに久しぶりにお目にかかる.

T君の「○○さん彼女いるんですか?」の連発には数学科恒例と なったとはいえ辟易. その傍らで「つまり〜なんですよ.」 とアカデミックなお話をするF君も居たりするが.


4月3日

無限次元トポロジーの不思議.

数列の空間l^2と\mathbb{R}の可算直積とは同相である.しかし,証明は困難.

compact位相多様体Xには距離が導入できる.その閉集合全体Cld(X)は,閉集合Aを関数d(-,A)に対応させることにより,連続関数全体にsupノルムを入れた空間C(X)への埋め込みがつくれる.その像は同相の意味では距離の取り方によらず,これにより,Cld(X)⊂C(X)とみてCld(X)のトポロジーを考えられる(ちょっと違うかも).

位相空間XのBorel測度全体M(X)は,測度μに,X上の連続関数をμについて積分するというC(X)^*の元を対応させることで,C(X)^*への埋め込みがつくれる.これによりM(X)のトポロジーが考えられる.

このように,学部生の私でも分かることの中にも題材は色々とある.しかし,用いられるテクニックは「一子相伝」とも言うべき物が多いらしい.

当然のことながら就職は非常にきびしい.

こんな話を筑波大学の先生から聞いた.


4月2日

駒場は諸手続きの日で,新歓花盛りでミニ駒場祭状態だった.新入生と間違えられることを期待して歩くが,一人しか間違えてくれなかった.残念.そういえばこの情景を見たのは入学以来.

生協食堂に「入学おめでとうランチ」というのがあったので,食べてみた.中身は桜ご飯と鯖の塩焼き,肉じゃがというもの.生協としては(という言い方も失礼なんだけど)なかなか美味しかった.


4月1日

数理科学研究科の外部評価.勉強になります.

アナリナゼミ.複素解析を久しぶりにやった.そういえば,応用的な場面で複素解析が出てくることが今まであまりにも少なかった.こういう経験を積むうちに複素解析も分かるようになるのかなあ.

という訳で,新年度もアナリナゼミをやっていくので, スペクトル理論を勉強したい方など,どうぞご参加くださいませ.

さて,今年は授業よりゼミ中心でやっていきたい.「埋め込みとはめ込み」を週2回やるという時点でなかなか充実していると思うが,これとアナリナの他にもう1つくらい.今考えているのは,岩波基礎数学「群論」とMacLane の圏論.微妙に気になるのが,ほとんど誰も知らないであろう「Almost Free Modules」.i-land氏には繰り返し言っているように,この本には ultraproduct が登場するなど,集合論の香りがする.おまけに難易度高めと思われる.

ゼミとXB(講演)と幾何系の授業1個くらいで十分な気がしてきたな.

そういえばさいと〜君達のset theoryゼミもあったな.どこが幾何専門なんだか.

2003年4月7日は鉄腕アトムの誕生日だそうだ.当日に忘れないように書いておく.